考え方

ビッグダディの子育てって、正解だったの?本人と娘達に、会ってきた。

2018年3月8日

目次

テレビに出たことで、批判されることって、なかったの?

yuzuka 因みにテレビを見ていると、「相談して意見を聞いている」ってイメージはあまりなくて、どうしてもお父様のワンマン的な行動が目立つと思うんです。そういう部分について、「お父さんのやりかたはおかしいよ」とか、「押し付けられている」とか。テレビを見た誰かから、実際にそういう意見を言われたことってありますか?

柔美さん ありましたね。変っていうか、テレビを見た人から、「本当に大丈夫なの?」「辛いんじゃないの?」って。だけどテレビって、嘘はなかったけど、真実ではないんですよ。切り取って放映するので。悲しんでいるところとか、喧嘩しているところとか。みんなは、切り取られた一部を全てだと思ってしまうから。

都美さん だけど勿論、それが全てじゃないんですよね。テレビに写っていない部分でもいろいろあるんですよ。だから、嘘じゃないけど真実じゃない。

 

柔美さん あれは難しいよね。本当に嘘はないもんね。ヤラセとかは一切なくて。それはお父さんがテレビ局の人と約束を交わしているので、「お金をもらわないかわりに一切指示はするな」って(笑)ただ、365日撮っている中の一部を凝縮して、編集して、3時間とかで放映するわけじゃないですか。

都美さん だから、編集でどうにでも印象操作できちゃうので。あれを見て周囲に、「あの時すごい大変だったんでしょ?」「嫌だったんでしょ?」とか、すごい言われたりもしたんですけど、

「え、それ、本当は違うよ。全然大変じゃなかったんだよ」「私達は全然、嫌じゃなかったんだよ」って。だけどそれは、こっち側の人間にしか分からないことだから。言ったところで仕方ないんですよね。

 

柔美さん そう。テレビに映る私達を見てそう感じたのなら、その人達にとってそれが正解なんですよね。お父さんについてもいろいろと意見を言われることがありますけど、批判的な内容とかでも、言われる意見も正しいなって思うんです。その人の意見だから、それで良い。それも正しいって。

都美さん その人達の意見を否定してまでこちらの意見を押し付けて塗り替えようとは思わないんですよね。各個人の価値観の違いって、仕方ないことなので。

 

yuzuka それに対して、「何も知らないくせに」って、怒りの感情が向くことはなかったんですか?

柔美さん ないですね。「そういう人もいるよな」って。良い意味でも悪い意味でも、楽観的なんです。それは、学校生活でいろいろあったときも同じでした。

 

いじめってあったの?その時の気持ちは?

yuzuka テレビが原因となるいじめとかも、あったんですか?

都美さん うーん。場所によるけど。田舎の方に行くと、あるにはありましたね。

柔美さん 転校生って時点で珍しいので、目立つことで目を付けられて……。ってのは、ありました。本当に場所にもよりますけど。

 

yuzuka 具体的ないじめって、どういう感じだったんですか?

柔美さん 直接言ってくるってことはないんですけど、聞こえるように悪口を言われるとか、無視されるとか。

勿論行く先々でいろいろありましたけど、だけど「その人達はその人達だよなあ」って感じだったんですよね。そこから歩み寄ってくれて、仲良くなった子もいましたし。今考えたらいじめなのかもしれないけど、その当時は誰も、あんまり大きく受け止めてなくて(笑)

都美さん 「なんか言われたんだよねー」って、家に帰ってから軽く話すみたいな。家に帰るとみんながいるので。

 

yuzuka それがきっかけで学校にいけなくなったりすることもなかったんですか?

柔美さん なかったですね。いじめられているっていっても、絶対に分かってくれる子はいて。一人になることはなかったよね。

都美さん それに学校にも家にも、みんながいたので。何かがあっても別に「あーじゃあ次の休み時間はお姉ちゃんと遊ぼうー」とか。「帰ったらみんながいるもんなー」とか。

それが大きくて、とくに一人で苦しんだみたいな記憶はないんですよね。家に帰ると、そんな一瞬の出来事よりも楽しいことがたくさんあるから。苦しいことよりも、楽しいことが大きいと、次の日には学校にいけちゃうんですよ(笑)

 

yuzuka 家族での支え合いが大きかったんですね。因みにあの時期って、ずっとカメラに密着されている状態ですよね。それ自体へのストレスって、なかったんですか?

柔美さん スタッフさんとも本当に仲が良くて、家族みたいな感じだったんですよね。ずっとメンバーも変わってなくて。親戚のおじさんみたいな感覚で。

他人がずっといて嫌だというより、寧ろ遊んでくれたり、一緒にご飯を食べたりと仲が良かったので、いてくれることが嬉しかったくらいですね。

都美さん 年越しとかも一緒にしたり、チャーハン作ってくれたりね。撮ってはいるけど、撮影がないときも、海でずっと遊んでたし。

 

yuzuka とくにストレスを感じることもなく、家族のような関係性が築けていたんですね。

都美さん 楽しかったよね。昔から人の出入りが多い家だったので、他人が家にいることにそんなに抵抗がないのかも。

yuzuka  なんだか、とにかく何事に対しても、皆さんの心の許容範囲が凄く広い気がします。その当時はまだ幼かったのに、全てを大きな心で受け入れられていたんですね。

 

AV出演やグラビア撮影。本当にちゃんと、納得してたの?

yuzuka  テレビに出演したことからの影響といえば、お父さんへの批判って、やっぱり大きかったじゃないですか。例えばお父さんのAV出演のことがありましたよね。「子どもにも許可を取った」と報道はされていましたけど、実際には「そんなばかな」って感じる人も多いと思うんです。子ども達にとってそれって、本当に受け入れられることなの?って。

本当はいつもみたいな感じで、お父さんに無理矢理言いくるめられたんじゃないのか?って。どうしてもそういう見方があったと思うんですけど、どうですか?

 

柔美さん 勿論ちゃんと、相談を受けました。私達家族は、家族でグループLINEをしていて、頻繁に連絡を取り合っているんです。だからその中で、AVに限らず、「こういう仕事があるんだけど、どう思う?」って、全ての仕事に対して、結構意見を聞かれるんですよね。

AVの時も、それと同じように聞かれて、最初は「それってどういう感じで出るの?」って、不安がる兄弟もいたんですけど……。

都美さん そこが一番大事じゃないですか(笑)だから、どういう感じなの?って、そしたら「俺は教えるって立場なんだよ。どちらかというと脚本や監督なんだよ」って説明を受けたので。

 

柔美さん 勿論、実際に演じる側だと聞かされていたら、ちょっと映像として見にくいってのはありますけど……。良いんじゃないかなって。相談してくれたし、やりたいって言ってることに対して、「やらないで」って否定するだけの理由や材料もありませんでしたし。

都美さん そういうお仕事に対しても偏見がないんだよね。だから抵抗もなかったよね。

柔美さん そう。抵抗がない。そういうお仕事も必要とされているから存在するわけだから。

 

yuzuka 他のお仕事と変わらないような感覚で、相談があって、「良いんじゃない?」って、みんな納得した形だったんですね。

柔美さん そうですね。面白そうじゃんって。

 

yuzuka 同じような批判を受けたことといえば、三姉妹で、グラビア撮影もされていましたよね。正直最初に見た時は、「悪い大人にのせられちゃったのかな……。」って思ったりもして。

柔美さん うふふ(笑)あれはもともと、出版社さんからお声がけいただいて。最初はありえないでしょって思ったけど、「ちょっと面白そうだな」って。それからあの時、ちょうど震災の後で。報酬を全て、震災の復興のために寄付をするっていう説明を受けたので、「それだったらやりたい」って。

その時ちょうど、岩手から離れていて、「震災なのに何もできない」って、お父さんが悔しがっていたのも覚えていたので、家族会議になった時も、満場一致で、「やったら良いんじゃない」ってなりましたね。

 

yuzuka 震災の復興のためだったんですね……。当時私もその写真を見て、まだ幼い感じがあったので、「誰だよこんなことをさせたのは」って、怒りすら覚えたんですよね。

都美さん 私達、嫌だったらやらないんです(笑)無理矢理押し付けられたことはありません。楽しそうって思えることしかやらないし、「やらない」って言えるんです。

柔美さん そうそう。自分たちで決めているので。だから、私はグラビアのお仕事も、その後何度かお話をいただきましたけど、その時は私ももう学生で「やりたくないしやらないよ」って断りました。勿論それで何か言ってくるとかは、一切ないので。

 

yuzuka こうしてお話を聞いていくと、お父様のイメージが変わっていきますね。ちゃんと家族と相談もしあって、決して押し付けで子育てしているわけじゃなかったんだなって。

都美さん どうしても、破天荒で滅茶苦茶ってイメージがあるから(笑)でも、自分勝手って言ったらそうかもしれないけど、子どもって、親についていくものだと思うんですよね。だから、私達も受け入れていました。それに、私達が嫌がることは絶対にしないので。意見も飲んでくれることが多いし。

 

柔美さん 例えば私はどうしても学校が辞めたくて、高校を中退したんです。父親に相談した時は「高校は出てた方が良いぞ」って反対されたけど、いろいろ条件をもらって、結局中退しました。だけど辞めた後、どうしても行きたい高校ができて。

家計も苦しいし、一度辞めたのに、また高校に行きたいって、凄く自分勝手じゃないですか。だからきっと許してもらえないと思ったけど、勇気を出して相談したら……。怒ることもせずに、「一度辞めて、そうやって考えられたのなら偉い。行け。」って、入学させてくれたんです。

何かを押し付けられるとか、やりたくないことをさせるとか、そういうのは本当になくて、私達の意見を聞いたうえで意見をくれるんです。

 

yuzuka  そんなエピソードがあったんですね。二度の高校入学。金銭面でも、その他の問題でも。それを相談して、頭ごなしに「ふざけるな」って怒る親も、多いと思います。お父様が、お子様のことをどれだけ考えているかが伝わってきますね。

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yuzuka

作家、コラムニスト。元精神科、美容整形外科の看護師で、風俗嬢の経験もある。実体験や、それで得た知識をもとに綴るtwitterやnoteが話題を呼び、多数メディアにコラムを寄稿したのち、peek a booを立ち上げる。ズボラで絵が下手。Twitterでは時々毒を吐き、ぷち炎上する。美人に弱い。

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