DV被害に遭いやすい人とは
yuzuka：ずっと考えていたことなんだけど、DV被害って、遭いやすい人と、そうじゃない人がいると思うの。事実、みやめこちゃん含めて、私の元に相談を寄せてくる読者のみんなって、DV被害にあったのが初めてではないケースが多い。
それって、自己評価の低さっていうか、「私なんて幸せになれるわけがない」っていう考えがベースにあるのが原因じゃないのかなって。普通なら、「この男はおかしい」って察知すべきタイミングで、我慢してしまうというか……。
私自身も殴られたとき、「私はこうされてもしかたない」「結局私なんて幸せになれない」って、納得してしまった部分があったの。むしろ良いパートナーと一緒にいて、優しく大切にされていると、強い違和感があるくらい。「何か裏があるんじゃないか」って。
みやめこ:すごく分かります。私はいつも男運がなかったし、「捨てられるかもしれない」っていう気持ちが常にあって、相手の顔色を窺って、機嫌をとってしまう癖がありました。
yuzuka：私の場合は、そういう自己評価の低さの原因の中に、自分自身の家庭環境も含まれている様に思うんだけど、みやめこちゃんはどうかな？
みやめこ：わたしもそうだと思います。幼い頃から義理母からモラハラを受けていて、実の父は見て見ぬふりでした。そういう環境の中で我慢することを覚えましたし、その経験から、小さい時から捨てられる恐怖心が根付いていて……。恋愛にもそれが影響していると思います。
yuzuka：認めたくはないんだけど、そういう環境にいたことも原因となって、親に与えてもらえなかった「無条件の愛」みたいなものを、相手に与えたいと思ったり、反対に自分自身も求めてしまうところがあるんだと思うんだよね。
恋愛ってあくまで「他人同士」で、条件付きの愛じゃない？だから、「この人は私を幸せにしてくれない」って思った時点で、本当は手放さなくてはいけないし、一緒にいる必要なんてないの。だけど、受け入れようとしてしまう。限界を超えても、我慢して、離れようと思えない。
みやめこ：なにがあっても離れない、全てを捨ててでも守る、って親が子どもに対して思う愛情だと思うんです。
それって腹を痛めて産んだからこそ湧くもので、恋愛する相手は他人だから、その理論を適応してはいけないと思うんです。だけど私も彼も、お互いにその愛情を求めあっていたと思います。彼は彼で、私を試していた。
「本当に好きだったら全部言うことを聞くはず、何よりも俺のことが大切なはず、俺がいれば何もいらないはず」って、いつも言われていましたから。
今思えばおかしいんですけど、その時は受け入れてしまっていました。私も彼のその気持ちがすごく分かるから、似ているから、放っておけなかったんだと思います。それに、「この人はそれだけ私を必要としてくれているんだ」って、愛してくれているんだって、そういう風にとらえてしまっていた節もありました。
yuzuka：なるほどね……。相手も、みやめこちゃん自身も。手に入るはずのない「愛のカタチ」を相手に求めていたんだね。
みやめこ：そうだと思います。どんなに好き同士でも、親にはなれない。
yuzuka：恋人は肉親じゃないって当たり前のことだし、だからこそ勿論、無条件の愛なんて手に入らない。
条件付きで、お互いを求めあって、尊重しあって、歩み寄って。そうやって大人同士、他人同士として、支えあって共存していくのが正しい恋愛の形なんだよね。
私もみやめこちゃんも彼も、親からもらえなかった無条件の愛を、この人なら受け入れてくれるんじゃないかって……。私なら彼に、それを与えられるんじゃないかって、そう思い込んでいたんだね。
みやめこ：だから、離れられなかった。もっと最初に、気づくべきでした。
yuzuka
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