先日、17歳の愛犬が天国へ旅だった。
それから、ADHDと確定診断された。IQは80と低かった。
のみならず、リボ払い借金が200万円を超えた。自己破産を決めた。
僕は典型的な“持たざる者”であると、改めて思い至った。
心が極限まで追い込まれたせいか、風と陽光を気持ちよく浴びているときでさえ、なぜか多幸感と悲壮感が混ぜこぜになって、「トラックにひき殺されて星になろうかな」などと満面の笑みで独り言を呟くことが増えた。
心が太陽に逆らったら、限界の合図なのかもしれない。
これが最後のじゃれ合いになるとは……。
白い雲の奥底でぴょんぴょんと、全盛期の笑顔で飛び跳ねていたら良いな~と願うばかりだ。
人生とは皮肉なもので、瞬く間に絶望が重なってゆく。
自分事ながら笑えるほど、とんとん拍子でため息が出て止まらない。
だがしかし、コレは転落ではない。
底辺部における虫の死骸が、冷たい風に煽られて隅っこのカビに激突したような話だ。
この僕は、生まれ落ちた瞬間から社会のクソムシだった。
学校では殴られ蹴られ、心をこれでもかと病んで、会社を100社以上ばっくれて、親から金をふんだくり、サラ金に手を出しまくり、あらゆる人間と縁を切り、鬱々と引きこもり――
精神の疲れが一線を越えると、「リボ払いとは抗うつ剤だ!」と開き直ってしまうもんだから、ゴミと借金が山となってそびえ立った。
「限界が来たら死ねば良いや」
こんな破壊衝動、自暴自棄までもがペアで舞い込むため、「あぁ~、僕は、ここがスラム街だったら内臓の一つや二つ売るタイプだわ」と確信するほど、自己破滅的な生き方になってゆく。
少なくとも僕が美女だったら、パパ活レベル99の自傷的な稼ぎに走っていただろう。
憂鬱が度を超すと、汚水が床にドボドボとこぼれる勢いで、腐敗した生ゴミがシンクを埋めてゆく。
そして真夏にスタートするは、小バエの襲来とウジ虫の誕生である。
「リボ払いで暴飲暴食、日がな一日の堕落。それだけで新たな命が生誕。生命の神秘すげぇ」などと、謎の感動を覚えた末に、「マジで疲れた。誰か殺しに来てくれ」とその場にへたり込んでしまう。
それはそれは全身が痒くなる光景だが、重い鬱に見舞われていると、なにもかもどうでも良くなってゆく。
挙げ句の果てには、「こんなウジ虫サイズの、狭いキッチンを設計した奴、どこのどいつだよ。いつか必ず道連れにしてやるからな」と、攻撃性がおぞましく孵化する。
上記は、借金返済額の一部である。
毎月6~8万円ほどが、問答無用で引き落としされる。
僕の生活費はどんなに切り詰めても、【家賃5万円、光熱費2万円、ネット1万円、スマホ1万円、食費3万円、合計12万円】は掛かるため、ココに8万円も追加となれば、灼熱の火の車で焼け死んでしまう。
『リボ払いの金利手数料はバカ高い』+『235万円を最少返済コース』=『実質400万円クラスの借金』
冷静に収支計算をすると、寒気が止まらなくなった……。
そうして僕は、心の凍死を防ぐべく、次から次に、大手から個人まで、弁護士事務所へと足を運び始めたのであった。
僕の場合、多額の借金だけでなく、躁うつ病の症状が狂おしいほど激しいという大問題がある。
躁状態で、「ヒエラルキーの頂点を目指します!」とデカい口を叩いたかと思えば、その翌日、鬱状態になり、「生活保護を受給するしかない……」と机の下でうずくまってしまう。
まさに、0か100かの人格分裂。
さらに、ADHDの青い治療薬ストラテラが、体質にまったく合わなくて、一時的に精神崩壊するなんてこともあった。
この薬を飲み込むと、怒りホルモンと呼ばれるノルアドレナリンが増幅するゆえ、目が血走り、怒りで興奮し、湧き上がる攻撃衝動を抑えられなくなる(※個人差が強くあります)。
つい先月も、そこに持ち前の躁状態がくっついたことで、憎悪感情を大爆発させてしまった。
僕がYouTubeにて、約1年掛けてせっせと築いてきた、『稼ぎに直結するファンコミュニティ』を木っ端みじんに砕き割り、一瞬で推定50~100万円ほどの利益を失った。
人間、一度心を壊すと、理性が死んで、信念が死んで、社会的に死んでゆく。
物理的に死ぬ前から、孤独という棺桶に閉じ込められ、実際に死んだときには孤独死ゆえに棺桶になんてはいれないかもな~、と皮肉な結末が想像される。
心の揺れ、凶暴につき、365日ふらふらのパニック症候群。
だけれども、そんなイカれた混乱が引き続くからこそ、ぎりぎりのところで命を継続できている気もする。
なんたって僕は、
『学歴なし、職歴なし、資格なし、技術なし、実績なし、免許なし、彼女なし、30歳、身長165cm、ADHD、躁うつ病、235万円の多重債務、無職(底辺YouTuber)』
といった、世で言うところの“キモくて金のないおっさん”予備軍であり、失笑止まらぬ低スペ男子の一人なのだ。
そんな訳で、躁と鬱のぐるぐるアトラクションに乗り込み、げえげえと魂を吐く勢いで我を忘れなきゃ、人間生命なんてやってられない。
だから、吐瀉物でメイクマネーする。
それくらい頭のネジを外しまくり、悪意と逸脱と不幸のたたき売りをしてでも、がめつく生き延びる他ない。
頑張ったところで普通以下だ。
それどころか、頑張って普通以下になった結果、より疲れて絶望して地獄の底に落ち込み、むしゃくしゃしてテロリストになる危険性さえある。
それを踏まえて僕は、狂ったままで、頑張らずに命を繋ぐ生存戦略を極めてゆきたい。
世界を舐め腐ったようなこの自撮り写真は、YouTube/Twitterでパンチを効かせるための1枚だ。
近い未来、貧困層の住人となる敗者ピピピによる、刹那のセレブごっこであるから許されてしかるべしだ。
ふざけた見た目とは裏腹に、この札束を『固定費の支払い』や『弁護士費用』に充てるゆえ、手元にはろくすっぽ残らない。
というのも、自己破産には『同時廃止事件(約30万円)』と『管財事件(約60万円)』の二種類がある。
こちらは、弁護士費用も含めて掛かる金額で、倍ほど違う訳だ。
どちらになるかは資産状況によって決まり、高価なアイテムを所有していたり、33万円以上の現金を持っていたりすると、後者となる。
つまり僕のケースだと、ひとまず60万円ほど、そしてゲーミングパソコンや一眼レフカメラなどが、血も涙もなく没収されるだろう。
なんにせよ借金の脅威は、想像の軽く10倍以上であった。
「もういっそのこと、スイスにある安楽死の施設にでもゆくか、人生にくたびれ果てた」とも考えたけれど、そもそもの最低条件として、『150万円』+『語学力』がなければ、穏やかな死は望めないことを知った。
生きるにせよ死ぬにせよ、バカな貧乏人はとことん不利であった。
『将来不安』+『三桁万円の借金』があることで、健康を追求するエネルギーがみるみる枯渇してゆく。
ごく自然にインスタントラーメン20食連打みたいな、栄養皆無メシを食べ続けてしまう。
やはり、『経済力』と『精神力』は密接に関係していて、金欠になれば心もガス欠となり、そうして無気力になれば、ますますお金に困ることになる。
「今月の生活費、返済費は稼げるのか?」「今のヤバさを具体化しちゃダメだ、現状を直視すると心が折れる、まずはリボ払いで現実逃避だ!」という焦りに恐怖、血の迷いによって、脳みそも精神も疲れ切ってしまうゆえ、まともに働かなくなってゆく。
虚無感に襲われる→考えるのをやめる→感情の動きが止まる→料理の味がしなくなる→何をやっても退屈になる→絶望すらしなくなる→廃人の境地へ
そうやって僕の毎日は、髪も体も一ヶ月以上洗わない、食事はお菓子で代用する、パンツの中に新しいティッシュを1枚敷けば一生洗濯しなくてOK、そんなとち狂ったものになりがちであった。
ここらで自己破産せねば、生きる屍へと一直線だ。
無感情がデフォルトになれば、自分も他人も大切にできなくなるから、それこそ無敵の人になって、無表情で事件を起こしてしまうかもしれない。
ココ最近、『一般人と犯罪者の境界線』みたいなものが、どぎつく見えるようになってきた。
『人間が一線を越える発火地点』というか、そろそろ何かやらかすな……という僕自身の凶暴性が、ひしひしと感じられる。
経済的な問題の重さが、痛いほどよく分かった。
そういう訳で、借金の重荷を下ろし、心のナイフを消滅させる。
それから僕は、腐ってもチャンネル登録者が2万人以上いるYouTuberゆえ、それなりに悪質なアンチを抱えている。
下記は5chにある僕のスレのスクショだが、要約すると、『お前が自己破産をしたタイミングで官報を読み調べて、個人情報をばら撒くから楽しみにしていてね』という煽り、明確な嫌がらせである。
人間の醜さが露わになっており、すこぶる愉快な文面といえよう。
ないない尽くしの僕みたいな下流層の存在から、産毛まで引きちぎろうとするような、悪意の力を感じさせてくれる。
以前、『弱者における最大の娯楽は怒り』というフレーズを耳にしたのだが、余裕のない者ほど、僕みたいな“逃げの一手”を打とうとする者を見たときに、「ズルするな! ふざけるな!」と、言葉の刃物を向けてくるのである。
しかしながら、日本など所詮は沈む船だ、ならば奪える浮き輪は爽やかに頂戴して、ぷかぷかと浮かび上がることを志すが吉だ。
ちなみに、『自己破産→官報への個人情報記載→アンチのばら撒き行為』をどうするかについては、すでに弁護士へ相談済みである。
防止策として、『縁もゆかりもない地域のゲストハウスを契約→住民票を移す→手続きの時期・場所を一切口外しない』というトリッキーな手法がおすすめとのことだった。
もちろん、合理的な理由の設定が必要だが、「現時点で無職なので、安い物件へ引っ越すと同時、頑張って社会人として働きます!」で簡単に筋が通る。
やはり昨今、弁護士が競争過多なのもあって、個人のところだと入れ知恵を吹き込んでくれたり、大手事務所だとゴリゴリの営業が目に見えたりして楽しい。
こうした負債からの脱獄コンサルを、初回無料でやってもらえるのはありがたい限りだ。
反省と感謝と進歩の気持ちを忘れず、口を慎みつつ、合法かつ淡々とした自己破産をサイレントにやってゆきたい所存。
という訳で、長ったらしく軽口を叩かせてもらった。
くそったれな人生ゆえ、舐めて掛からなきゃ、心が持たなくなる。
負け犬は自我を守るために遠吠えをやめられない。
ココからはまとめに入るが、これまでず~っと、『借金地獄』の日々だった。
とんでもない話、借金の疲れを借金で解消する、借金で死にそうだから借金で延命する、それほどに切迫していた。
今になって思い返すと、不安定な収益の中、多額の返済に追い立てられて、自分の意思なんてありはしなかった。
最大の趣味であるはずの物書きすらも封印して、「金金金」「踏み倒すか」「強制執行くるか」「疲れた疲れた疲れた」と発狂し続けた。
借金は、僕の生命力をことごとく奪い取った。
そしてこの1年、YouTuberやライターを主軸に、フリーランスとして温かい飯を食えたが、その事業内容といえば、『不幸になること』であった。
稼げる瞬間はいつだって、僕が本気で傷付いたとき、辛くて涙を流したとき、鬱で心をやられているとき、借金が膨らんだとき、アンチに殴られているときであった。
そう、自己犠牲で借金返済をしてきたのだ。
プロリストカッターみたいなもんで、なんの権威も専門性もない僕は、泣いて土下座して魂の血を流し、みっともなさを販売して稼ぐしかなかった。
視聴者の前に跪いて、「口で靴紐を結ばせてください」くらいの屈辱である。
しかしながら、次第に快感を覚えるようになった。
おそらく、マゾヒスト的な快楽を発生させることで、悲惨な現状に潰されぬよう、己のアイデンティティーがそう働きかけたのだと思われる。
つまり僕は、『他人の不幸は蜜の味』をマネタイズした。
『苦痛なことで生きてゆく』がスローガンになった。
ビジネスモデルとしては、SMクラブのM嬢みたいなものだ。
こうした無数の悪口が、年中無休で届き、「すこぶる感謝!」と心を込めて受け取る。
僕はそもそも、当たり前のことすら出来ない人間だから、無視されないだけ御の字なのだ。
殺害予告をしてくる人にすら、「あなたは命の恩人です。相手してくれてありがとう」と返信するくらい、僕は心をこじらせた。
情けなさを鑑賞してもらい、誹謗中傷のムチで叩かれ、顰蹙と同情を買っていただく。
それが僕の仕事であった。
というよりか、奴隷労働でしかなかった。
生活費と返済費を稼ぐために、悪魔に魂を売り払い、人格を捨てて金をむさぼった。
矜持もへったくれもなく、ヨイショ、ゴマスリ、ペコペコによって、その場しのぎの金策を繰り返す。
そうして気付けば、誰よりも余裕をなくした金の亡者になっていた。
このままだと、もっと心が壊れて取り返しがつかなくなる。
だから僕は、ADHDの知能テストを受け、自己破産の手続きを進め、「手遅れかもしれないが人生を修復しよう……」と思い至ったのだ。
借金によって、一時的に死んだ自分を、信念を、人間性を、初期衝動を取り返さなくては。
無謀な借金とは、心の自殺であった――
ピピピピピ
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