ベルリンときめけどひとり7

考え方

【異国でのコロナ】ロックダウンにノックダウンされた

生きるのがそんなにうまくないへなちょこ人間によるあんまり参考にはならないベルリン暮らしのひとりごと日記。

生活に正解があるのかなんてわからないけど、不器用な日々のなかに思うあれこれをぶつぶつと綴ります。

 

コロナでガラッと変わってしまった私たちの生活様式。

いつ収束するのかわからない閉塞感にやられていませんか?

気持ちが沈む、元気が出ないという人いませんか?

 

はい、それ全部私です!

今日は、気持ちがポキンと折れてしまったベルリンでのコロナ禍生活の模様です。

 

目次

ロックダウンにノックダウンされた

急激にコロナの感染者数が増え始めて、世に溢れる情報がコロナ一色になり始めたのは2020年の2月頃でした。

それから、あっという間にマスクなしでは外出ができなくなって、授業や集まりは次々とオンラインに移行、医療や生活必需品の販売に携わる人たちの過剰な負担が続き、飲食店や旅行業、映画館や劇場、人の動きの真ん中にあった場所や仕組みが次々と窮地に追い込まれました。

 

報道の内容は時間刻みで大きく変化し、3月にはヨーロッパ各国に続いて、ドイツでもついにロックダウンの実施が決まったのでした。

現在ドイツは二度目のロックダウンに踏み切っていますが、この時点では「家を出ない」ことを公に要請されての生活はほとんど誰も経験のないことだったと思います。

 

最初は嬉しかったステイホーム

ロックダウンが実施されてすぐ、ドイツでは居住歴の短い外国人も対象にしたフリーランスへの50ユーロ(約63万円)を目安とする補償が素早く実施されました。

この補償はオンラインの申込み後一両日のうちに申込者の口座に入金されたそうです。

 

私はコロナによる収入の変化が特にない職種だったので、手続きを見送りましたが、それでも、当たり前に補償の対象にカウントしてもらえたということが嬉しくて心強かったです。

 

ドイツにいながら、幸いなことに金銭的な心配はそんなになかったし、もともと外出が好きなタイプではなく、なんなら予定を作って人に会いに出かけることを試練のようにさえ感じてい私。

「ロックダウン」と聞いて、大手を振って家にいられるなんて、控えめにいってサイコーかよ、と思っていました。

 

ええ、最初の2週間は。

 

あれ? 毎日が縮んでいく……

4月半ばに段階的に規制が緩和され始めるまで、約2ヶ月に渡って食料品、生活必需品の買い出し以外は外出せずに家で過ごすことになりました。

州ごとにロックダウン中の決まりは違ったのですが、ベルリンでは健康のための個人の運動は許されていたので、ランニングやサイクリングをしている人、お散歩している人、距離を取りながら公園で日向ぼっこをしている人など、家から見る外の景色はほとんど変わりません。

 

私も時々は思いついたように近くの池まで散歩してみたり、目的もなく近所をウォーキングしたりはしていましたが、それ以外はほぼお利口にステイホームしていました。

 

そんな風に家から出ない日が1ヶ月も続くと、時間が過ぎるのは長く感じるのに振り返ると1日の重量が圧縮されたように小さく軽くなっている感覚がし始めました。

毎日の境目が曖昧になって、植木に水をあげたのが昨日のことだったのか、それとも一昨日のことだったのか、全体的に膜を張ったようにぼんやり感じられるんです。

 

なんだか自分の思考と感覚に不安を覚えるようになり、それにともなって次第に自分で自分にOKを出すのがとても難しくなっていきました。

 

お家大好きで外出嫌いな私だったはずなのに、ステイホーム期間にびっくりするほど気持ちが塞ぎ込んでしまったのです。

異常事態にメンタルがおかしな動きをすることは、よく考えると当たり前のことなんですが、渦中にいてはそういう客観性は失われてしまいます。

それが一番怖いんですよね。

 

ロックダウンが明けても自主隔離

ちょっと気分を変えようとオンラインで話すにしても、話すことがあんまりない。

ずっと家の中にいるから、変化は脳の中にしかないんです。

 

その次には料理に向ける創造力が底をついてしまって、ごはんをつくるのがめんどくさくなり始める。

美味しい食事がしたいという欲求も湧いてこないので、食事はただただ栄養補給作業です。

 

そしてついには朝起きて普段着に着替えるのも億劫になって、パジャマからパジャマに着替え出す……。

 

ロックダウンにノックダウンされた

人それぞれの「当たり前」の違いが目立つコロナ禍。

 

そうこうしているうちにロックダウンは解除されました。

だけど、その頃には外に出るエネルギーなんてもう全然なくて、もともと出不精だったコロナ前に比べてもさらに出歩かなくなり、理由もないのにほとんど自主隔離状態です。

 

元気が出ないから出歩かない。

出歩かないから元気が出ない。

 

外に出るのが嫌な理由は元気がないこと以外にもその頃問題になっていたアジア人差別への恐怖なんかも複合的に絡み合っていました。

 

なんか追い詰められてるな〜。

そう気がついた時にはにっちもさっちもいかなくなっていたという感じです。

 

移住に際して自分の能力が及ばないせいで苦しむことはあっても、感染症のロックダウンで精神的な袋小路に追い込まれようとは思ってもみませんでした。

 

元気は出ないけど星がきれい

それで私がどうしたかというと、実はどうもしていません。

家の中でできるストレッチをしてみたり、近くのショッピングモールまで散歩をしてみたり、カフェに仕事をしに行ってみたりはしています。

 

でも、近所のアジア系の人がたくさん利用していて居心地が良かったスタバはロックダウン直後に潰れてしまったし、新しいルールが貼り紙されててもパッと見て理解することができないのでウィンドウショッピングもままならない。

相変わらずシュンとした気持ちです。

 

それでも、街を歩いていてふと木々を見ると、ついこの前まで青々としていた葉っぱが色づいて地面に落ちていて、自然はいつも通り前に進んでいるようです。

夜空を見上げると、皮肉なことにいつもより星がきれいに見えます。

毎朝飲むコーヒーは相変わらず美味しいです。

 

通りを見ても変わったのは人間がみんなマスクをしていることくらい。

比べることをしないで何かを手応えを持って感触することってとてつもなく難しいんですよね。

 

エネルギーがゼロに近づいている今のことを覚えておいて、いつか外に出たいって思った時にはこの日々のことを思い出して感謝したいと思います。

だからこんな毎日はこんな毎日でいいということにしよう。

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サマー

ライター/編集者 ベルリン在住。フリーランスでいろいろ書いています。ときどきイラストも。フェミニスト、動物好き、HSP気質。お仕事のご相談歓迎です。

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