ベルリンときめけどひとり5

料理 考え方

ドイツでの夕食の話。「カルテスエッセン=冷たい食事」で心穏やかに夜を過ごす

2020年11月12日

生きるのがそんなにうまくないへなちょこ人間によるあんまり参考にはならないベルリン暮らしのひとりごと日記。

生活に正解があるのかなんてわからないけど、不器用な日々のなかに思うあれこれをぶつぶつと綴ります。

 

今日は夜ごはんのお話。

日本とドイツの食文化の違いについてです。

 

カルテスエッセン(=冷たい食事)で心穏やかに夜を過ごす

夕食を作るのって大変ですよね……。

 

今ある食材を確認して、メニューを考えて、足りないもの買ってきて、時間を逆算して調理。使った食器や調理器具の後片付けまでついてきて、これを毎日やるって、もはや修行? と思うわけです。

 

ロックダウン期間の3食自炊生活で、夕食作りに心底うんざりしてしまった私。

無気力感に抵抗するのをあきらめて、うんざり期間はずっとクラッカーを主食にして生活していました。

 

生野菜、チーズ、生ハムなんかをクラッカーにのせて食べるという、軽食のようなというかまるっきりの軽食なのですが、このメニューに精神的にかなり助けられた次第で、仕事をした後、「夕食づくり」というもう一仕事残ってる感覚がなくなって、あらためて食事を作るのに大きなエネルギーを使っていたことを痛感したのでした。

 

ごはんをつくるってとてもエネルギーを使う

もともと、毎食時間をかけて料理をしていたわけでもないんです。

スープやシチューを大鍋に作ってアレンジしながら数日かけて食べる……といった感じで、温め直したり、焼き直したりするだけでいい日を確保するようにはしていて。

それでも、毎日食材を管理して献立を計画するだけでも労力はけっこう使うもの。

コロナに鬱々としていたある日、急にエンストを起こしてしまいました。

 

そもそも、いわゆる「ちゃんとした食事」を毎日つくるって、凄いことだと思いませんか?

少なくとも「みんなやってるから」とか、勝手な価値観で属性と結びつけられた役割なんかを理由に続けていけるほど甘っちょろい労役ではない!

やるのが当たり前の食事づくりが役割だったとしたら、仕事や勉強や趣味に使う気力や時間は大きく減って当然で、それってもはや犠牲です。

時々気まぐれに凝った料理をつくるのとはわけが違います。

 

そして、毎日繰り返すものだからこそ負担が見えなくなっていってしまいがちで、いつの間にか「当然のこと」としかみなされなくなってしまうんですよね。

 

ドイツの食文化「カルテスエッセン」

実際に一汁三菜をスタンダードとする日本の食文化の話をすると、ドイツ在住の人たちには驚かれることが多いです。

というのも、ドイツには朝、夕の食事に火を使わない「カルテスエッセン(Kaltes Essen)=冷たい食事」という食文化が根づいていて、私の機内軽食みたいな夕ごはんも、いたって普通のメニューと考えられているのです。

 

食事の準備に手間をかけず、時間と心に余裕をもって豊かな夕べを過ごそう、というのが合理的なドイツ流。

昼食はわりとしっかりめに食べますが、夕食は切って盛って終わりというのが一般的です。

 

オードブルボード(つまりテーブルに出せるまな板ですな)でハムやチーズを切って、ピクルス、オリーブなんかをちょっとずつ盛り付けてそのままテーブルへ。

あとはザワークラウト(千切りのキャベツを発酵させたドイツの保存食)やベビーリーフを小鉢にとって、バターとパンをセッティングしたら食卓の準備は完了。

これにワインやビールがあったらもう文句なしです。

ものの5分で用意ができて、洗い物もほとんど出ません。

 

ごはん食にカルテスエッセンを取り入れる

とはいえ、カルテスエッセンは栄養価の高いパン、種類豊富なチーズ、高品質な加工肉が安く買える背景があって成り立っているので、安く手に入るものがまったく違う日本で同じ内容のメニューに挑戦しようとすると、思ったより出費がかさんでしまうのが現実。

でも、ここで諦めてしまってはおもしろくありません。

 

「カルテスエッセン=冷たい食事」で心穏やかに夜を過ごす

パン VS ごはんの切って盛るだけ対決

 

日本の主食、お米にカルテスエッセンの心意気を取り入れた「ごはんカルテスエッセン」というのはどうでしょうか(ごはんに火を使ってることは気にしない)。

単にごはんを炊いて、お漬物、お浸し、塩辛、梅干し、ゆかり、しらす、といったご飯のおともや作り置きおかずを並べるだけの話なんですが、我が家では週一くらいの頻度で登場する楽しみなメニューです。

私はこの食べ方がどんな御馳走よりも好きなので、夕食づくりに辟易している人にはぜひ試してみて欲しい!

 

どう美味しくごはんを食べるかというチャレンジでもあり、組み合わせのバリエーションに試行錯誤する実験の舞台でもあります。

豆腐、ネギ、バターをちょっぴりとお醤油を混ぜて食べるお豆腐ごはんはヘルシーで食欲がない時も食べやすいし、卵かけご飯に納豆というのもベーシックで飽きがこない。

キムチと食べる時はちょっとかために炊いたごはんの方が美味しい。チューブのキャビアがごはんにめっぽう合うというのも「ごはんカルテスエッセン」で発見しました。

 

手間をかけない食卓のちょっとしたコツは、見栄えよくちょこちょこ盛り付けられる小鉢や小皿を揃えてテーブルが貧相にならないように並べること。

蓋のついた小鉢があれば、残った食材ごとそのまま冷蔵庫に入れてしまうこともできて便利です。

料理自体に手間をかけていなくても、盛り付けを工夫すれば食卓を侘しく感じることもありません。

 

手間はかけられる時にかけられる人がかければいい

出汁の味がきいた繊細な一品が食べたくなったり、無性に時間をかけた料理がしたくなる日もありますが、ごはんをつくる元気が出ない日は、切って盛るだけで心穏やかに過ごすという選択肢があることが大切です。

コロナ禍に料理をするエネルギーがどこかへ行ってしまってクラッカーを食べ続けていたら、楽しく食べて栄養が摂れたらそれが一番だと気がつきました。

 

手間をかけないことに罪悪感すら感じていたけれど、手間をかけることが重要っていうのは思い込みでしかなかったみたいです。

頑張らない選択があることで、時々腕によりをかけることが前より楽しいとも感じています。

 

いろんな国の文化やスタンダードを知って、まやかしの「当たり前」から自分を解放できれば、生きるのはもうちょっと楽になりそう。

当たり前なんて人それぞれ違うものだから、心地いい自分標準を探して気楽にやっていきたいものです。

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サマー

サマー

ライター/編集者 ベルリン在住。フリーランスでいろいろ書いています。ときどきイラストも。フェミニスト、動物好き、HSP気質。お仕事のご相談歓迎です。

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