考え方

自分が悲しい時に、どう対処するべきなのかを元精神科ナースが解説

2020年2月27日

「もういやだ!」

 

人への執着、嫉妬、自分の不出来具合に、

全てを投げ出したくなることはありませんか?

 

「どうしよう」と何度も口にし、

右往左往してはみるものの、具体的に

何が嫌で、どうしたいのか、自分でも分からない。

 

なんとなく苦しくて、

身近な人に八つ当たりしたくなったり、

自分を攻めて、涙を流したくなる。

 

そんな夜、

あなたはどうやって乗り越えていますか?

 

前向きになろうと、

ポジティブな本を読んでみる。

 

未来に目を向けよう!と、先の事を考える。

明るい音楽を聞いて、テンションの向上を促す。

 

うん、確かに悪くありません。

だけどきっと、今これを読んでいる貴女は

そういう一通りのことをやってはみたものの

 

心のつっかかりが取れず、

嫌な意味でそわそわしている事の方が

多いのではないでしょうか?

 

今回は、そういう時の乗り越え方として

2つ、アドバイスをしたいと思います。

 

これは精神科ナースとして、今まで実践を薦めてきたことであり、

同時に私が「そんな気分」になった時に実行していることでもあります。

 

目次

執着している「対象」と出会うより前の思い出を整理する

これは実際に「依存」に苦しむ患者様への心理療法の一貫として行う方法です。

例えば小学生の頃、中学生の頃。

今自分が「これがないと生きていけない…」と苦しくなる「対象」と出会ってすらいないあの頃。

 

その頃の楽しかった思い出を紐解くのです。

 

思い起こすだけでも良いですし、

アルバムなんかを開くのも良いでしょう。

 

木登りをした時の木の感触。

鉄棒を握った時の冷たさと、鉄の匂い。

逆上がりが出来た時の達成感。

4時限目の国語の退屈さや、給食の匂い。

夕日の色に17時のチャイム、仲の良い友達。

 

「対象」のことを、知りもしなかった。

 

それでも確かに楽しかった。

生きていた。幸せだった。

 

あなたは今、「対象」に依存して、

「それがないと生きていけない」と勘違いしているだけで、実際は生きていけるし、生きてきた。 

 

その事実を再確認するのです。

 

実はこれ、結構有効で、

例えば恋人に依存している自分に自覚して、どうしようもない気分になった時に、そっと昔の記憶に触れる時間を作ると、心がふわっと軽くなることがあります。

※「対象」はなんでも構いません。
しかし、「心因的な依存」にのみ有効性があるように感じます。(恋人やお金への執着には使えるが、薬物やアルコール依存には向かない)

 

悲しいことを認め、感情に寄り添う

これはシンプルでありながら、難しいことだと思います。

人はどうしても「明日」を見なければいけない状況があります。

 

落ち込んでいるからといって、

ストップできない理由があるのです。

 

明日には仕事がある。

週末には友達とのランチもある。

 

落ち込んでいられない、

早く元の自分に戻らなくてはいけない。

 

そういう焦燥感から、自分のマイナスのテンションとは反対の感情を呼び起こそうとします。

 

「大丈夫だ」と言い聞かせる。

前向きでアップテンポな曲を聞く。

ポジティブな映画や本に浸る。

 

確かにそれで前向きになることは

ありますが、実はこれ、必ずしも正解ではありません。

 

本当に必要なのは「悲しい」という

感情をしっかりと感じること。 

 

「私は悲しいんだ。

今の私は大丈夫じゃない。」と、認める。

 

「悲しかったね。」と、自分に寄り添う。

 

うんと悲しいバラードを流し、

思いっきり泣ける暗い映画を見て。

思うままに言葉を綴ったり、

大声で泣いてみる。

 

マイナスな感情のままにしっかりと「悲しむ」

すると不思議なことに、突然「ふわっ」と

感情が前向きになる瞬間がくる。

 

悲しみの泉は底なし沼ではありません。

実はちゃんと、底がある。

 

悲しむだけ悲しんで、

泣くだけ泣いて。

しっかりデトックスをすれば、

あとは浮上していきます。

 

世の中は、自分中心ではありません。

「私が一番大切」という個人の集まりです。

 

うまくいかないことや、

悲しいこと、傷つけられること。

 

意識的にも無意識的にも、

たくさんあります。

 

悲しみを避けることは、

残念ながら不可能でしょう。

 

大切なのは、やってきた「悲しみ」に

どう対処していくか。

どう向き合い、寄り添っていくかだと思います。

 

みなさんの悲しみが、

少しでも軽くなりますように。

 

yuzuka

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yuzuka

作家、コラムニスト。元精神科、美容整形外科の看護師で、風俗嬢の経験もある。実体験や、それで得た知識をもとに綴るtwitterやnoteが話題を呼び、多数メディアにコラムを寄稿したのち、peek a booを立ち上げる。ズボラで絵が下手。Twitterでは時々毒を吐き、ぷち炎上する。美人に弱い。

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