恋愛 考え方

自己愛の強い男友達の恋愛相談を聞いていたときの話

2019年1月28日

目次

それって、好きなのは彼女じゃなくて自分じゃない?

私はあー君の恋を応援することにした。彼はいい奴だ。大好きな友人だし、幸せになってほしい。

けれど、彼の恋バナを聞けば聞くほど、「それって恋なの?」と思う。

と言うのも、彼の恋バナには常に「オレ」が出てくる。

 

「のりちゃんがオレのことをどう思っているか」

「オレはのりちゃんと付き合えるのか」

 

そればかりに興味があり、彼女自身のことをちっとも知ろうとしないのだ。

あー君はいつだって、のりちゃんではなく、彼女の目に映る自分を見ている。

 

たとえば、のりちゃんの具合が悪そうなとき、あー君は「大丈夫?」と声をかける。そして、仕事を代わってあげたりする。

それは、もちろんいいことだ。けれど、そのあとで私に「のりちゃんが具合悪そうにしてたから優しくしといた。これってポイント高くない?」などと言う。

 

それってなんだか、のりちゃんが心配だから優しくするのではなく、自分のポイントが上がることを狙って優しくしているように見える。「具合の悪そうなのりちゃん」以上に「彼女に優しくするオレ」に意識が向いているというか。

ようするに、ナルシストなんだと思う。

 

彼は自分に自信がないから、ナルシストとは思われにくい。だけど、自信がなくても(むしろ健全な自信がないからこそ)自己愛が強いのだ。

私は、彼の恋バナを聞くたびにイライラするようになった。

 

応援すると言ったくせに、「あんたが本当に好きなのは、のりちゃんじゃなくて自分でしょ?」と説教したくなる。

それは、私の中にもあー君と似た面があるからだ。私も、自分に自信がないくせに自己愛が強い。

 

あー君の恋バナを聞くたびに、「私も人から見たらこんな感じなのかな」と恥ずかしくなった。

 

スペックが低くても○○があればチャンスはあった

結局、あー君はフラれてしまった。

私は、「やっぱりな」と思った。

 

職場で出会うと気づきにくいけれど、あー君はフリーターだ。けれど、のりちゃんはつい最近まで東京でOLをしていた人で、山小屋のバイトが終わればまた就職活動をするという。

とても辛辣なことを言うけど、都内でずっと正規雇用として働いてきた30代の女性にとって、フリーターのあー君はスペック的にむずかしいと思う。

だけど、あー君がフラれた理由は、おそらくスペックだけではない。

 

スペックがのりちゃんの基準に達していなくても、あー君に「あなたに心底惚れているので、絶対に幸せにします!!」という誠意があれば、彼女が情にほだされた可能性はある。

彼にはそれがなかったから、フラれたのだ。

 

彼は、恋愛によって自分が幸せになりたいのであって、のりちゃんを幸せにする気がまるでない。

のりちゃんはとっくに、それを見抜いていたと思う。私も、周りのみんなも見抜いていた。

だけど、あー君本人だけが気づいていない。

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吉玉サキ

北アルプスの山小屋勤務を経てライター・エッセイストに。好きな執筆ジャンルは季節労働と生きづらさ。だけどなぜか恋愛コラムを連載することに。お笑いが好き。

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