みなさん、こんにちは。おっちょこちょいOLの きじ田とらみ です。
みなさんは借金をされたことがありますでしょうか?
私は、多額の奨学金を背負っています。
その額は元金で576万円。追加で、利子があります。
奨学金の負担の大きさなど考えずに借り、就職後にその額の大きさに唖然とし、付き合っていた恋人との結婚を考えた時に自己嫌悪になり、死にものぐるいで繰り上げ完済をできるまで貯金をし、そして今は返済を一歩とどまり冷静に人生プランを設計しているところです。
そんな私の奨学金との向き合ってきた軌跡をお話しようと思います。
前回の記事で、私が奨学金を借りた経緯と、向き合うまで現実逃避していた失敗期間についてお話しました。
今回は、奨学金と向き合い、現実を冷静に見極めて、前向きになっていった経緯をお話したいと思います。
前回の記事:奨学金に押しつぶされそうなあなたへ。社会人7年目の私の失敗談と転機について
目次
現実と向き合う。私が漠然と感じている不安とは
まずは自分が漠然と不安に感じていることを書き出し、それに対する対策を考えることにしました。
- 高校時代の友人のように、海外旅行などで独身ならではのお金を使った経験を積む事ができない。
- 女性のライフイベントに対応することができるのか
- 自分の子どもに、満足のいく教育を受けさせることができるのか?
書き出してみると、漠然と広がっていたモヤモヤに対して、根本の悩みは思った程少ないことに気づきました。
独身ならではのお金を使った経験を積む事ができない。
私は元々引きこもり体質なので、旅行の目的はリフレッシュではありませんでした。
私のリフレッシュ法は好きな一人カラオケでジュディアンドマリーの解散ライブを疑似体験したり、Kindleで漫画を大人買いしてひたすら現実逃避すること。
旅行の目的は、歴史や美術が好きなので、国内外の色んな文化に触れて、勉強したいと思っていたのです。
目的が明確になった所で、冷静に考えると、裕福な友人達と同じように、海外旅行に行く必要があるのかということ。
日常的に勉強することで、知識を厚くすれば、1度の旅行で色んなことを吸収できます。
そもそも社会人なので、まとまった休みがとれないので、そこまで悲観する必要はないと気づく事ができました。
女性のライフイベントに対応することができるのか
産休中の手当に関しては、自分の給与の3分の2の給与が国から保証されています(会社からではないのがポイント)。
現在の収入の5割程度で生活できていれば問題はない。実際に結婚した場合は、パートナーとの共同生活になるので、生活費が折半だとしてもそこまでかさまない。
また、出産後も、時短勤務があるなど復帰しやすい職場であれば、そこまで心配することではないと感じました。
子どもに十分な教育を受けさせることができるのか
色んな制度を調べると、子どもを授かった場合、国から「児童手当」が支給されることが分かりました。
それを0歳から15歳まで積み立てた場合、200万円前後の額になります(養育者の所得が基準よりも高ければ少なくなります)。
高校生になるまでは、児童手当には手をつけず、収入に見合った生活を送れば、子どもが自分で将来を考えて、学びたいことを見つけた時に、遣うことができます。
もちろん、これだけでは足りませんが、どの時期までにどれくらいの資金を用意すればいいかということが明確になりました。
あと、思春期から、しっかりお金に関する教育をして、「自分の学びたい事」と「所有している資産」を把握し、将来の見通しをしっかり勉強すれば、問題ないと思いました。
もし、何不自由なく生活できたとしても、自分自身でお金に対して向き合う力がなければ、自立して上手く行かなかった時に、私のように苦労することになってしまうと思ったのです。
見える負債と見えない経費。生涯年収に対する奨学金の割合
私は一般企業で会社員をしています。
当時の年収は400万円弱(手取りは300万円弱)、一般のサラリーマンの平均年収とほぼ同様です。
順調に昇給していたので、サラリーマンの生涯年収は約1億円程度。
その1億円の中の比率として、私の奨学金585万円が締める生涯年収の割合は6%程度です。
公共の交通機関が整備された車を所有する必要のない地域に住んでいるので車の維持費もかからない。私はお酒も弱く、外食費もかさみにくい。タバコも吸わない。会社からは制服が支給されているので、私服が痛みにくく被服費がかさまない。
など、冷静に見ると、他の人がイニシャルでかかる費用がないことに気がついたのです。
「見えている負債」は大きいですが、これからかかる「見えない経費」はそこまで大きくない。
そう思うと、少し冷静になれました。
ズボラだから、勝手に貯まる仕組みを作る
そして不安を拭った後は、どうやって返済の為の資金を貯めるかの計画を立てました。
まず、月々の固定費の見直しとして、携帯電話代・コンタクトの定額プラン・食費・交際費の見直しを行いました。
私はADHDという、うっかり屋の特性があり、大雑把な性格を自分自身で十二分に理解していたので、毎月コツコツ家計簿をつけたりするのは向いていません。
関連記事:ADHDな私が、何とか社会人として自立できた奮闘記
預金を増やすには、収入を増やすか、出て行くお金を増やすかのどちらかしかありません。
当時は、上司からのパワハラに悩んでいたこともあり、短期間に収入を増やす方向では考えにくかったので、出て行くお金を減らす方法を集中して考えました。
自分の集中力が続く間に…と、1週間くらいで大改革を行い、ほぼ「収入=支出」の体質から、年間で130万円弱貯金できるようになりました。
そして、今年の3月に奨学金が全額返済できる金額の預金額を達成したのです!
節約方法に関しては、世の中に沢山の体験談が溢れていますが、ズボラな私が実際にやった方法は別の記事で紹介したいと思います。
一括返済するか否か!地道に返す道を選んだ理由
3月に一括返済出来るだけの預金を貯めた私ですが、一括返済を選びませんでした。
あれほど早く返したかった奨学金。沢山悩んだのですが、それは「目の前の負債」よりも「これから先の人生の経費」を重視したからでした。
まず利息の面から見ていきたいと思います。
私の借りている奨学金は第二種の利息変動方式です。利子がある奨学金で、利息は5年に1度見直されて、世間の金利に合わせて変動します。
上限は3%で下限は0.01%です。
今は、超低金利の時代なので、私の返済初年度から5年目までの利息は0.2%、5年目から10年目までは最低金利の0.01%でした。
実はこれ、すごく貸与者に優しい金利なのです。
例えば、業界最大手の三菱UFJ銀行の場合を見てみましょう。
- マイカーローン … 年利2.975%
- 住宅ローン … 年利0.39%
- キャッシングサービス … 年利14.95%~17.95%
(2020年6月現在)
住宅ローンの場合は、月々の返済額が一定の元利均等返済を利用する場合が多いです。
その場合は、支払はじめは返済金の殆どが利息の返済に回されます。資金に余裕があれば、できるだけ返済期間を短くする為に繰り上げ返済した方が、支払う利息を減らせます。
今、順調に働いていたとしても、先行き不透明な世の中が続き、今まで通りに働けなくなってしまった時、返済能力を失ってしまった時、銀行は返済を待ってはくれません。
一方奨学金の場合は、きちんと申請さえすれば、猶予をしてもらえます。
ただし、いずれも無断で延滞でもしようものなら、返済能力がないと判断され、持ち家や車をはじめとした資産は競売にかけられ、クレジットカードは持てなくなり、ローンもしばらく組めなくなります。
社会的な信用を失うことになります。精神的・身体的ダメージは相当なものです。
(特に、実家が自営業をしていたので、資金繰りが厳しくなった時の銀行の氷のように冷たい対応を見てきました。貸す時は優しく、取り立ては厳しく、銀行員の人にも生活がかかっていますから……)
お金を借りることが悪いのではありません。
借りる時にそれに付随するあらゆるリスクを想定し対策さえすれば、お金を借りることによって、自分の可能性を広げることができます。
私はローンを組まない人生を送ると決めているのですが、まとまったお金が必要になる時がくるかもしれません。
そんな時に、この奨学金返済の為に貯めたお金が私を助けてくれる。そう思い、今はこのまとまったお金を手元に残し、一部リスクをとって運用して増やす方法を模索することにしました。
計画通りにいかなくても、自己嫌悪にならない お金に囚われない
私が自分の支出を見直し、数ヶ月たったころ、予期せぬ自体で大金を出費しなければならないことがありました。
一つは妹の専門学校の学費、もう一つは母親が延滞していたマンションの管理費です。
妹は当時、大学生でCAになるという夢を追うために、職業訓練校に通いたいと、まとまった学費を貸してほしいとお願いされました。
半年分の学費、40万円。
そして、母からは予想外の出費がかさみ、住居の管理費を延滞してしまったので、20万円貸してほしいとお願いされました。
合わせて60万円、当時の私の1年分のボーナスの金額でした。安月給のサラリーマンからすると、とても大きなお金です。
妹が倍率の高い花形職業のCAになれる保証はない。
お金をかせぐ能力のない母に、返済を迫ることはできない。
せっかく前向きに向き合う体制を整えたのに、思いがけない出費。
やっぱり自分はお金とは縁のない人生を送らなければならないのか、そう思うとやるせなくて、くじけそうになりました。
そんな時に、頭をよぎったのは、
自分の家族が笑顔で過ごせない人生に、たとえお金が満ちていたとしても、幸せはないということ。
うっかりものの姉を支えてくれたしっかり者の妹、貧乏ながら学費の高い大学へ通うことを応援してくれた優しい母。
大切な家族を守れないなら、私は何のためにお金を貯めようとしているんだろうと、立ち止まって考えたのです。
妹は必死に努力を重ね、無事に国内最大手の航空会社に内定。
はじめのボーナスで全額を返してくれました。
そして、実家を守ってくれている母を支援する為に、小額ですが積み立ての貯金をはじめました。
エアコンを修理代や、飼い猫の病院代、職業訓練としてのパソコン教室代などにあてています。
目の前のお金に囚われると、自分の人生で、何が一番大切なのか分からなくなります。
お金はあくまでも生きる手段であって、人生ではない。でも不足すれば、お金に囚われ自分自身を失ってしまう。
もし、多額の奨学金を背負い、悩んでいる人がいらっしゃれば、伝えたい事があります。
「見える負債」で頭がいっぱいなら、あなたのこれから続いていく長い人生を俯瞰してみてください。
一番大切なことは、あなたとあなたの大切な人が健康に笑顔で過ごせることです。
奨学金は銀行をはじめとした金融機関が実施している、営利を目的とした金融商品とは違います。
金銭的に恵まれない若者にも、学ぶチャンスを与えてくれるシステムです。
「大学を出たばかりの若者に大きな借金を背負わすなんて、」
「海外の制度はもっと充実している、」
「給付型の奨学金を得られないような学生に大学で学ぶ価値はない、」
色んなネガティブな意見が溢れています。
でもそれは、周りの意見であって、この奨学金の価値はあなたが決めるものです。あなた自身が未来に投資する為に、借りたものです。
こうして、お金のことで悩んでいるのも、金融リテラシーを身につける、高い授業料だと思ってください。
自分の恵まれない環境に卑屈になっても、誰も手を差し伸べてくれません。一人一人状況は違いますが、現実に向き合おうという意思がある限り、手段は無限にあるはずです。
あなたが一日も早く、心の平穏が訪れる事を祈っています。
どん底にいた頃の自分へ応援メッセージを贈るつもりで書いてみました。
少しでも前向きに奨学金に向き合うきっかけになれば嬉しいです。
きじ田 とらみ
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