考え方

奨学金に押しつぶされそうなあなたへ。社会人7年目の私の失敗談と転機について

みなさん、こんにちは。

おちょこちょいOLの きじ田とらみです。

 

さて、突然ですが、みなさんは借金をされたことがありますでしょうか?

私は、多額の奨学金を背負っています。

 

その額は元金で576万円。

追加で、利子があります。

 

奨学金の負担の大きさなど考えずに借り、就職後にその額の大きさに唖然とし、付き合っていた恋人との結婚を考えた時に自己嫌悪になり、死にものぐるいで繰り上げ完済をできるまで貯金をし、そして今は返済を一歩とどまり冷静に人生プランを設計しているところです。

今回、そんな私の奨学金との向き合ってきた軌跡をお話しようと思います。

 

目次

金銭的に身の丈に合わない大学へ進学!奨学金のはじまり

さて、私と奨学金との出会いは、約十年前高校3年生の時です。

当時、地元でも有名な国立の進学校に通っていた私は、周りの優秀な生徒達と比べて学力が低く、進学先を悩んでいました。

 

実家の経済状況は厳しく、両親はどちらも高卒だったので、世間一般的に見ると高卒でもおかしくない立場でした。

ただ、母が自分の経験上、高卒で社会に出て苦労をしたので、なんとしても進学してほしいと希望。私自身も普通科で特殊な技能も持ち合わせていなかったので、進学以外の選択肢はありませんでした。

 

その進学先は、私立の美術大学。

昔から絵を描くのが好きで(飛び抜けて得意でなかったことは、このイラストからも感じてるかもしれませんね…)、また、その一芸に支えられてきた人生だったこともあり、もう少しこの道を極めたいと思っていたからです。

ちなみに「大学」を選んだ理由は、自分自身の絵のスキルが低いことを分かっていたから。

就職にも対応できるよう、色んな資格をとれる大学に行こうとなりました。

 

しかし、この学費がとても高い...。

入学金50万円からの、初年度の学費は年間180万円。2年度以降は160万円と学費だけで合計720万円もかかりました。

 

聞いているだけでも恐ろしい金額。

そんな中、母は「やりたいことなら、やった方がいい。若い時の経験は本当に貴重だから。」と背中を押してくれました。

 

もし、自分に子どもができた時、背中を押す自信がありません。

笑顔で応援してくれた母には、本当に頭が上がらないです。

 

バイト漬けの毎日、かけがえのない友人達との出会い

一般的によく利用されているのは、日本学生支援機構の貸与型奨学金だと思います。

その制度は2種類あり、第一種は無利子で、第二種は有利子です。

 

第一種奨学金は、学業が特に優れた者、または経済的に就学困難な者を対象としていますので、第二種奨学金よりも審査が厳しくなっています。

また、借りられるお金にもそれぞれ上限があります。

 

私は、高校の成績が良くなかったことと、借りる金額が大きかったので第二種を選びました。

借りた金額は、借りられる上限の月12万円×4年間の計576万円です。

 

ただ、奨学金だけでは高額な学費の全てを賄えるわけではありません。

美術大学は別途で教材費もかなりかかります。資格をとるための実習費もかかります。他にも定期代・携帯代・パソコン代・ありとあらゆるお金がかかります。

 

私はそういった諸経費を稼ぐため、日夜バイトに明け暮れていたのです。

悲しいことに、バイト先の社員さんに垢抜けない持ち物を馬鹿にされたり、友人との旅行や飲み会を断ることも多かったです。部活動の合宿に最後まで参加できず、先輩から虐められたこともありました。

 

「周りの子たちと自分はバイトと学業の比率が違う……」

薄々と経済格差を感じ、卑屈になることもありました。

 

一方で学業が優秀だったかと聞かれればそういう訳でもなく、課題も満足にこなせていないことも多かったです。授業内容も正直あまり覚えていません(笑)

ADHDという発達障害を持っていたこともあって、学業とバイトの両立が難しく、単位を落としそうになった事も多々ありました。

関連記事:ADHDな私が、何とか社会人として自立できた奮闘記

 

ただ、この4年間の中でかけがえのない友人達と出会い、恩師と出会い、貴重な経験をし、そして技術や考え方を磨くことができました。未来への大きな投資をすることができたと自負しています。

苦しい中、笑顔で卒業することができました。卒業から7年たった今でも、この大学に入って良かったと心の底から言えます。

 

借金の大きさに打ちのめされ、奨学金に取り憑かれる

卒業後、私は上場企業のメーカー総合職へ就職します。

高額な学費を払って美術大学を卒業したにも関わらず、絵を描く仕事には就きませんでした。

 

デザイン関係や資格をいかせる就職先も検討したのですが、全体的な待遇を考慮した結果が上場企業への就職だったのです。

大学を選んだ時よりも、かなり冷静に現実的に就職先を決めたと思います。

 

ただ、待遇がいいと思って選んだ職場も、基本給は20万円。手取りでわずか16万円です。

ボーナスは3ヶ月で、手取り年収は200万円にも満たない。

 

そこで私は自分の背負っている借金の大きさに気づくのです。

特に、社会保険料や税金の高さに改めて驚きました。

 

毎月2万4000円の返済で、返済が完了する頃には40歳を過ぎている。

自分に子どもを授かったとして、ある程度教育にお金がかかるようになってきた頃に、まだ自分の奨学金を返済していることになる...。

 

自分の子どもに、満足のいく教育を受けさせることができるのか?

気づいたのにも関わらず、その見えない大きな不安を払拭する為に、私は初めて自分の手元に大きな金額があることに浮かれ、散財を繰り返します。

 

学生時代に、バイト先の社員さんに持ち物を馬鹿にされたことを根に持っていたので、ハイブランドの持ち物を揃えました。

財布・バッグ・名刺入れ・アパレル…。そして、誘われたら、飲み会も旅行も何でも参加しました。

奨学金の返済は続けながらも、社会人5年目の春の時点で、奨学金の残額が480万。

対して、貯金はたったの50万円しかありませんでした。

 

当時の恋人からの何気ない一言と、焦り

貧乏社会人、4年目の秋、私には恋人ができました。

マッチングアプリで出会った公務員ランナーの手堅い恋人です。彼も私と同じ貧乏な境遇で育った同志でした。

関連記事:筋金入りの非モテの私はマッチングアプリで出会いを求め始めたのである

 

ただ、私とは違ったのは、彼がとても優秀だったということ。

塾なしで、旧帝国大学の法学部に現役で合格、部活動でも優秀な成績をおさめ、全国大会にも出場するツワモノでした。そして、超堅実な節約家で、公務員の安月給にも関わらず、同じ社会人4年目で貯金を500万円も貯めていたのです。

そんな彼に言われた一言。

「とらみちゃんはいい奥さんになりそうだね。でも、うちの親が多額の奨学金があることを知ったら、多分結婚には反対するだろうな。」

 

金槌で頭を殴られたような衝撃でした。

世間一般的に見れば、奨学金は借金と同じ。数年前から、見て見ぬ振りをしてきた現実から、再び向き合うことになるのです。

 

Yahoo知恵袋には「息子の彼女に奨学金があり、結婚を辞めさせたい」「彼の親から奨学金を理由に結婚を反対されている」といった意見が溢れていました。

世の中には、奨学金に対するネガティブな意見や現実が溢れています。自分が弱気になっている時に見ると、飲み込まれます。希望もやる気も削がれ、無気力になります。

 

でも、今自信を持って言えるのは、若さと健康があれば、それに勝る資産はないということ。

私は奨学金に対するネット記事を読む事を辞め、冷静に自分の分析をすることにしました。自分のありたい姿と現実へ向き合うことにしたのです。

奨学金返済のプランと将来の見通しについては、次回の記事でお話したいと思います。

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きじ田 とらみ

28歳。中小企業で経理を担当する猫好きのOL。 モテないをこじらせ、自意識過剰気味。保育士免許と学芸員免許をもつ。趣味は宝塚とお絵描きと読書。精神の衛生を保つ為、ヨガとランニングに励む。5頭身。

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