SEX 恋愛

セックスレスで眠れない夜を過ごしたあなたへ

「セックスレス」がなぜ辛いのかという話を、いつかどこかで書きたいなと思いながら

それを書くことすらしんどくて、ずーっと無視して来た。

 

だけどやっぱり気持ちを書き示しておくべきだと思うから、今日はそれを書いてみる。

 

私は昔、風俗嬢として働いていた。

そこに来る客はみんな「嫁とはセックスレスなんだよね」と話していたけれど、よくよく話を聞いてみるとそのほとんどは「俺が嫁を抱けない」であって、あくまでセックスを拒否する側の人間だったりした。

 

実は、「セックスレス」の相談って、圧倒的に女性からが多い。

「夫(彼氏)が抱いてくれなくなった」という相談はどれも切実で、読んでいるだけで苦しくなる。

 

かくいう私も、セックスレスに悩んだ経験がある。

あの地獄とも言える苦しさと絶望と恥ずかしさは、きっと経験したものにしか分からないだろう。

 

女性にとってセックスを拒絶されるというのは、自分自身の魅力を全否定されるようなものなのだ。

いくら「そんなことはないよ」と言われても、そう感じてしまうのだから仕方ない。

 

関係が長くなればなるほど、「信頼」や「安心」が増えていくのと同時に、相手の「性欲」がこぼれ落ちていく。

 

最初は拒まなければ体力が持たないほどにせまられていたのが、

徐々に誘われる頻度が減り、ついには誘っても「眠たいからまた今度ね」と、交わされるようになる。

 

セックスをしている時の男性は、必死だ。

いつも冷静で、普段はいろんなことに興味が分散している大好きな人が、私の体だけに集中して、私の裸を見て余裕をなくしているのを見ると、自分の女性としての魅力に自信が持てるし、何よりも彼は私に欲情するのだ、私のことが異性として好きなのだ、という安心感に繋がる。

 

だからこそ時間がたって、キスだけで勃起していたはずの相手が裸を見せても勃起しなくなって、

しまいめには中折れなんてしはじめて…最後には「眠いからまた今度ね」なんて、セックス自体を避けようとしはじめたら、私の女性としての価値はなくなってしまったのか…?と考えてしまって当然だと思う。

 

私が以前付き合っていた人とセックスレスに陥っていた時も、そうだった。

言わずもがな私は「セックスを拒絶される側」で、傷ついていたなりには絶望せず、どうにかこの状況を回避しなくてはと手を変え品を変え、最善を尽くした。

 

マンネリがいけないのかもしれないとアダルトグッズを取り入れたり、新しいセクシーな下着を身につけたり。

すっぴんで過ごしていたのが悪いのかと、誘おうと思った日には家から出もしないのに、一生懸命メイクをしたりもした。

 

シャワーをして、ムダ毛をそって、いつもより良い匂いのするボディソープを塗って、誘ってみる。

だけどいつも、「今日は疲れているから」と、そっぽを向かれた。

 

その日、相手はいつものように「眠いから」と私の誘いを断って、さらには触れようとした手を、払いのけた。

その途端、私の心はとうとう決壊して、一番やるべきではないとわかっていたのに、「どうしてセックスしたくないの?」と、問い詰めながら、泣いてしまった。

 

そんな私を見て、その相手はおどろいた顔をしたあと、「そんなにヤりたいの?」とため息をついてから、

「女がそんなに性欲強いの気持ち悪いんだけど。お前はもう家族みたいなもんだし、もうそういう対象に見られない」と、言った。

 

積極的に誘ってセックスを改善しよう!とアクティブに捉えて行なっていた今までの行動が全て逆効果だったのかと思うと笑えたけれど、

それよりもなによりも、相手が想像している私が言う「セックスしたい」の中身が、なんだか私の思っているものからすごく外れている気がして、「性欲が強いからしたいんじゃないんだよ」と、かろうじてそう言ったのを覚えてる。

 

確かに性欲といえば性欲だろうけれど、そんなことよりも何よりも、私はあなたにとって女性として価値があるって、そう認めてほしいんだよ。

私はあなたと家族になったとしても、やっぱりずっと「女性」として魅力を感じてもらいたいよ。って、私は心の中で、そんな風に思っていた。

 

みんなそうだった。

みんな最初は私をキラキラとした瞳で見つめているのに、数回、数回と愛を重ねるごとに、興味を失っていく。

 

愛し合ってお互いを知れば知るほど遠ざかっていくなんて、なんて皮肉だろう。

「愛してるよ」

首筋から唇を離した男が、私を見下ろした。

お香のにおいと、唾液のにおいが混ざる。

 

私のことを心底愛しているような顔をした裸の男を見上げながら、

私は、私の上を通り過ぎた男たちを思い浮かべていた。

 

みんなそういう。

こぞってそういう。

 

「きみだけだ」「今までと違う」「愛してる」

まるで3日間何も飲み食いしてこなかった子供が水を乞うかのような

切ない、どうしようもなさそうな表情。

 

私が欲しくて、私が愛おしくて仕方ないかのような顔をした裸の男。

私の上を通り過ぎた男はみんな、同じ格好で、同じ表情で、同じセリフを口にした。

 

からっぽの男はみんな私を欲しがった。

当たり前だ。

 

だって、私は彼らの求める言葉も、表情も、知り尽くしていたから。

 

乾いたコップに冷えたミネラウォーターを注ぎ込むように、

彼らの欲しがる女を与えた。

 

反応も、声も、セリフも、「はじめて」って仕草も。

すべて使い古しで、マニュアル通りで、昨日と同じだ。

 

だけどそれを彼らは、嬉しそうに飲み干した。

砂漠の上でみつけた清潔な水だといわんばかりに、大切に、慎重に、一滴残らず飲み干した。

 

この「 愛」みたいなものを信じれば、 私の上にいる裸の男は永遠に、私を見守ってくれるのではないかとすら、思っていた。

 

「この人だけは違う」

「この人なら信じても良い」

「この人とは、ずっと一緒にいられるかもしれない」

 

私は求められるたびにそう思い、そして、与えた。

だけどそうじゃなかった。

 

彼らは例外なく、私の上を通り過ぎていった。

情熱も愛情も全て、私のお腹の上に吐き出して、もぬけの殻になった彼らは冷静になって、私の上からいなくなった。

 

セックスで誰かを手に入れられると思ってた。

体で誰かを繋ぎ止められるかと思ってた。

 

だけどそうじゃなかった。

寧ろ私はいつも、セックスで誰かを失っていた。

 

そんなことにはとっくに気づいている。

本当は、とっくの昔に気づいている。

 

体の上でゴールテープを切った男は、もう二度と戻ってこない。

満たされて、出し切って、通り過ぎていく。

 

通り過ぎたあとが「平気」なんかじゃないことも、もちろん、わかっていた。

 

「愛してるよ」

首筋から唇を離した男が、私を見下ろした。

 

お香のにおいと、唾液のにおいが混ざる。

 

私のことを心底愛しているような顔をした裸の男を見上げながら、

私は今日も、私の上を通り過ぎた男たちを思い浮かべていた。

 

「私も愛してる」

「セックスしなくても良い関係だってあるじゃない。それって素敵じゃん?」って、言う人もいると思う。

 

だけどそうじゃない人にとって、愛が深まれば深まるほど相手から魅力的に思われなくなるというのは、想像を絶するほどに辛いのだ。

 

時々、私の上に覆い被さった風俗客がこちらに向けるギラギラとした性欲まみれの瞳を見ていると、

「この人たちはお金を払ってまで私とSEXしたいのに、どうして私の彼氏は私が泣いてもしたくないっていうんだろう。無料なのに」と、虚しくなった。

 

家に帰れば、彼がいる。

関係性は悪くない。

 

誰よりも自分のことを分かってくれて、安心できて、気も使わなくても良い相手がそこにはいて、

唯一ないのは、セックスだけだった。

 

だけどそれだけなのに、私にはどうしても耐えられないほどに苦かったのだ。

かわいいワンピースを着ても、新しい髪型にしても、素敵な下着を身につけても。

 

「可愛い」のひとこともなく、欲情されない。

私と彼は、「家族」になる。

 

それが、とんでもなく怖かった。

 

「嫁なんて抱けないよ、今更」

「もう10年も一緒にいるのに、今更女として見られないよ」

 

笑いながらそんなことを話していた、醜いお客さんたち。

 

身体中に汚いムダ毛が生い茂っていて、口が臭くて。

メタボで、はげていて、性格もひんまがっている。

 

そんな、なんの努力もしていない男たち。

 

その向こう側に、私のように毎日口紅を塗って抱かれるのを待つ妻がいるかもしれないと想像すると、あまりにも不憫だった。

 

そんな奥さんを横目で見ながら、「新鮮さ」だけが取り柄の、可愛くもない私を唾棄にくる男たちを見ていると、

愛ってなんだろう、セックスってなんだろうと、どうしても考えてしまう。

 

どれだけ時間を共有して、どれだけ信頼を獲得して、思い出を作って、ともに困難を乗り越えても。

その先で抱きしめてもらえるわけでもなく、花束を買ってもらえるでもなく、「長く一緒にいすぎて魅力を感じない」と、裏切られる。

 

「女として見られない」

そこに愛は、あるのだろうか。

 

セックスレス問題の答えとか正解ってどこにもなくて、多分これは神様がちょっとミスをして起こってる。

「恋愛」におけるバグだと思うんだよね。

 

さて、物語の結末を書かなくてはいけないけれど、私はその当時の彼とはお別れしてしまったし、

セックスレスをどう考えるべきなのかって言う答えは、まだ見つけていない。

 

だけどひとつだけ言えるのは、「セックスレス」って、どうでも良い悩みなんかじゃなくて、

女の子の心をじりじりと殺していく、恋愛における致命的な問題だと思うから、

 

それをふたりでちゃんと考えて、見つめて、寄り添いあえる相手じゃないなら、やっぱりそこに「愛」はないのかもなって思う。

 

なんて締めくくろうかと小一時間悩んだうえでとにかく言いたいのは

「セックスレスで悩んでるのはあなただけじゃない」ってことと、「セックスレスで悩むのはおかしなことなんかじゃない」ってこと。

 

あなたが苦しい理由は、誰とでも良いからヤりたい!みたいな、そういう汚い性欲が理由にあるわけじゃないってこと、

私はちゃんと分かってるよ。

 

 

yuzuka

 

おすすめ記事「実際に試した中で、超おすすめしたいアダルトグッズ12選」

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セックスレスの解消には、「新鮮さ」をプラスすることもひとつの手段。

今は導入しやすいアダルトグッズもたくさん販売されているから、是非チェックしてみてね。

 

私のオススメは、「yuzukaさんのトークショーに行ったら当たっちゃったんだけど、これって何ゴミ…?」と、さりげなく相談すること。

 

ほとんどの男は「え、使ってみようよ」って乗り気になると思うから、試してみて。

私がそうだったように、「アダルトグッズ使ってみようよー」って積極的に提案しちゃうと、S心が削がれちゃう人も多いからね……。

 

だけど本音としては、そんな大切な問題に向き合ってくれないような男のことは忘れて、次の男にシフトしちゃおうぜってところ。

そんな恋愛についての記事はまた次回。

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yuzuka

作家、コラムニスト。元精神科、美容整形外科の看護師で、風俗嬢の経験もある。実体験や、それで得た知識をもとに綴るtwitterやnoteが話題を呼び、多数メディアにコラムを寄稿したのち、peek a booを立ち上げる。ズボラで絵が下手。Twitterでは時々毒を吐き、ぷち炎上する。美人に弱い。

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