美容 考え方

整形したら、幸せになれますか?に対する回答

2020年2月27日

yuzukaです。

さて、今回は「美容関連の質問」の、根本的な部分に触れていきたいと思います。

 

このアカウントを立ち上げ当初からみて頂いている方なら分かる通り、当時は「美容情報」をメインに発信していました。

 

そこから徐々にポエムよりになったことに批判もありましたが、

私も「美容外科、皮膚科ナース」を離れてから

時が立ち、最新情報に疎くなってきているというのが、本音です。

 

それでも根本的な思いは変わらないので、

この場をかりて、私が考える「美容整形」の中の、根本の部分を伝えて行きたいと思います。

 

私はそもそも精神科のナースで、今でも担当患者様が恋しく、夢にも出てくるほど、大好きな現場です。

そんな私が精神科から美容外科へ転職したきっかけは、ある純粋な「願い」からでした。

 

精神科時代、たくさんの患者様と触れ合いました。

精神科の患者様は恐らく、皆さんが想像するよりもヘビーです。

 

幻覚や幻聴はもちろん、清潔観念の欠落。

汚いものを汚いと認識出来ない。

意思疎通も難しく、善悪の区別もつきにくい。

 

排泄物を食べたり、人を殴ったりなんてのが

日常的な世界でした。

関連記事:奇声や食糞は当たり前。新卒看護師の離職率が限りなく高い精神科病棟の実態

 

しかしそんな中、ほとんどの患者様が笑顔になる瞬間を見つけたのです。

それは「外見を褒められた時」でした。

 

何ヶ月かに1回の散髪。

作業療法の一貫として行われるお化粧。

新しいパジャマを着た時。

病棟イベントでの仮装。

 

「かわいいね」「綺麗だね」と褒めると

無表情だった患者様の顔が、みるみる綻ぶのです。

 

これは衝撃の発見でした。

人はどんな事を忘れてしまっても、褒められた喜びだけは忘れないのだと思いました。

 

そんな発見をした私は、

ある日、大好きだった受け持ち患者様が亡くなる数分前、この人にかける人生最後の言葉に何を選ぼうかと考えに考えた結果

「綺麗だよ」を選びました。

 

最後の最後の瞬間、本当に綺麗な笑顔のまま、その患者様は亡くなりました。

 

その出来事があったこともあり、

私の中で「人は、自分に自信が持て、なおかつそれを他人に認められることこそに、幸せを感じるのだ」という定説が出来上がりました。

 

そこから美容の世界に興味を持ち始め、自らの手でその自信を作り上げることができる「美容外科」という世界に、大きな魅力を感じました。

 

私もそのお手伝いをしたい。

これが、私の美容外科就職への動機です。

 

しかし、実際に就職してみると、そんな綺麗事では済まされないような現状が、そこにはありました。

整形依存症。

 

これ以上どこを修正するのかという患者様が来院される。

二重は大きく窪み、涙袋は破裂寸前。

鼻は裂けそうな程の異物感。

 

どこをどう見ても、「綺麗になった」とはいえないような外見。これ以上手をつけたら、化物にすらなり得るという状況。

「もう辞めましょう」と伝える。

それでも「手術をしてください」と悲願する。

 

クレジットカードの限度額は超え、

医療ローンの審査も通らない。負債は目を背けたくなるような額に及ぶ。

 

どうしてこんな状況に陥るのだろうと思いました。彼女達を見ていると、手術を許す自分への罪悪感が膨らみ、良心は痛み、苦しくなった。

そして疑問でいっぱいになりました。

 

痛みにもがき、涙を流し、手術前には震えているような患者様は、そこまでして、どうして手術を決意するのだろう、と。

 

ここで伝えておきたいのは、

美容外科に来院する患者様は、ふたつの種類に分類されるということです。

 

ひとつは、自己満足で容姿を整えたい人。

もうひとつは、他者評価を気にして容姿を変えたい人です。

 

実は今の美容業界は、圧倒的に前者が多い。

「変わってなくない?」というレベルの整形を行い、本人の中で満足する。

 

そういう患者様は、とくに顔について誰かに指摘を受けたこともなければ、顔のせいで不自由な思いをしたこともありません。

「私が気に入らないから治すんです。」

だからこそ、整形依存にはなりにくい場合が多い。

 

しかし後者の場合は、

「私は顔のせいで不自由している」と思い込んでいる場合がある。

実際に外見を理由に酷い仕打ちを受けた人もいれば、そうではなく、態度で感じたという人もいる。

 

そういう人は、

「整形をすれば、私の人生は変わる」

「周りが優しくなり、愛される」

「全ての状況が良くなるはず」

本気でそう考えている。

 

「整形すれば、それだけで幸せになれる」

と思い込んでいるのです。

 

しかし、断言します。

整形をするだけでは、幸せになれません。

 

もちろん、美容整形を受けることにより、容姿が劇的に良くなった人の中には、人生が変わったという人は数多く存在すると思います。

顔面至上主義な世界であることは否定しません。綺麗であれば得をする、これもまた悲しい事実です。

 

それでも、やっぱりそれだけでは幸せになれない。

 

私が危惧するのは、

「幸せになるために整形する」という考えに固執している人が、数多く存在するということです。

整形と幸せは直結しません。

 

あくまで、

「綺麗になるために整形する」ということを忘れないでください。

 

綺麗になれば、幸せになるチャンスは増えます。でも、それを掴めるかどうかは人それぞれ。

 

整形をしても思ったよりも認めてもらえない。

もっともっと認められたくて整形を繰り返す。

 

これじゃあ、綺麗からは遠ざかり、

そして同時に、幸せからも遠ざかります。

 

現役時代。

豊胸手術と、膣縮小術を受けたいという、女子大生が来院したことがあります。

 

彼女の胸は決して魅力に乏しいわけでもなかったし、膣が異常に広いという事実もありませんでした。

彼女は震えて泣きながら、高額なこのオペを受ける決意をしました。

 

手術前も後も、恐怖心や痛みから、ずっと泣いていたのを覚えています。

 

「彼氏に言われたんです。胸が小さいし、ガバガバだって。

このままだと私、ふられちゃうから。」

 

そばにいた私に、彼女はそう漏らしました。

 

彼女は手術を受けましたが、恐らく幸せにはなれなかったと思います。

その彼とはどのみち別れるだろうし、もしも別れていなくても、否定の言葉は止まらないでしょう。

 

彼女は幸せになるために手術を受けましたが、実際は間違えています。

胸を大きくして、膣を縮小するための手術は成功しましたが、本当に幸せになるためには、環境を変えなければいけなかった。

 

そうすれば、手術など必要なかったかもしれません。

 

美容整形は、幸せになるために適した手段です。

「どうせ整形でしょ」なんて発言、何も知らず、努力もしていないから言えるのでしょう。

 

痛み、ダウンタイム、金銭面。

整形は、逃げじゃない。

むしろ努力がなければできないことです。

 

だからこそわたしは、整形して掴んだ幸せは、努力の賜物であると考えます。

でも、その努力が、間違えたものに促された、間違った方向の努力だとしたら、悲しい。

 

いくら綺麗になっても、関わる人を変えなければ、傷つけられます。

環境を変えなければ、負の連鎖も止まりません。考え方を変えなければ、いつまでも卑屈なままです。

 

綺麗になったら全て解決するというのは、

残念ながら、夢物語にすぎません。

 

ツラツラと書き連ねてしまいましたが、

最後に伝えたいことをもう1度書きます。

 

整形は、幸せに直結しません。

綺麗になるために行うものです。

 

そこから幸せになれるかは、貴女の行動や考え方次第。

関連記事:幸せになる方法

 

どうせ痛い思いをするのなら、

正しく綺麗になって、そこからたっぷりの幸せを探しましょう。

 

いらないメスを入れ、

傷つく人が減りますように。

 

yuzuka

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yuzuka

作家、コラムニスト。元精神科、美容整形外科の看護師で、風俗嬢の経験もある。実体験や、それで得た知識をもとに綴るtwitterやnoteが話題を呼び、多数メディアにコラムを寄稿したのち、peek a booを立ち上げる。ズボラで絵が下手。Twitterでは時々毒を吐き、ぷち炎上する。美人に弱い。

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