ある時、一通の相談メッセージが届いた。
今回は商品の紹介が目的ではあるが、その前に少しだけ、リストカットについてのお話をしておきたい。
目次
リストカットには、二種類ある
リストカットとは、カッターナイフ等の刃物を用いて、自分の手首に傷をつける、自傷行為のことを言う。
よく、リストカットを自殺未遂と結びつける人間がいるが、あれは大きな間違いだ。
自殺未遂と自傷行為は、近いようで最も遠く、その中でもリストカットについては
「生きるために切っている人」と、「死にたくて切った人」に大きく二分化され、
両者の性質は全くの別物である。
そして私のもとにリストカットについて相談してくれる読者に多いのは、
「生きるために切っている人」である。
今回の相談者の方も含め、彼女達は生き延びる手段として、リストカットを選んだ。
勿論それが健全であるとは言わない。正しいとも思わない。
だけど、彼女達が生き延びる方法は、その時、それしかなかったのかもしれない。
リストカットの傷、所謂リスカ跡が原因で、嫌な言葉を浴びせられるケースは少なくはない。
「死ぬ気もないのに、どうして切るのか」「切るのを辞めなさい」
それらの言葉は、相手を思ってのことかもしれないが、生きるために切っている彼女たちにしては
充分に苦しむ要因となりうる。
苦しみや悲しみをかき消すために、自身を傷つける。
ピリっと走った痛みは、ほんの少しの間だけ、自分を楽にしてくれる。
流れる血を見ると、なんともいえない安心感に包まれる。
リスカ跡は、彼女たちが生きようとした証だ。
苦しみを押し殺して生きようと、あがいた跡なのである。
彼女達の気持ちを理解しろとまでは言わないが、安易に否定したり、心無い言葉を浴びせることは、避けてほしいと願ってやまない。
さて、今回はそんなリスカ跡を隠したいという相談ではあるが、私は今回の記事で、「永遠に隠す方法」を、提案しない。
リスカ跡に関する相談者が多いので、傷跡を一時的に隠すためのシートを実際に使用して、そのレポートを行うが、
私はそもそも、大事な人であればあるほど、その傷は隠すべきではないと思っている。
貴女が苦しんできたその証を見て受け入れられない人とは、
きっとこの先、一緒に歩んでいくことができないと考えるからである。
大切な相手なのであれば、重たい事実であるほど、しっかり目を見て伝える必要があると思う。
だから私は、リスカ跡をずっと隠し続ける方法は、提案できない。
しかしその一方で、軽いお出かけや多くの人の目につきやすい場所で、貴女の大切な傷を公に晒すような必要もないと思う。
だから今回は、「1週間だけ、傷跡を目立たなくできる商品」を探し、取り寄せた。
一時的にリスカ跡を隠したい貴女へ
今回取り寄せた商品が、この肌かくしーとである。
肌かくしーとはその名の通り、「貼って傷あと、あざを隠す」ことを目的とした、スキンカバーシート。
今回ご相談いただいたリストカット跡だけではなく、痣やタトゥ等も、一時的に隠すことができる優れもの。
シートは全4枚入りで、サイズは85mm×105mmで、ハガキの約半分。
注意してほしいのが、4枚入りといってもそれぞれカラーが違うので、何箇所も同じ色で隠したい場合、何セットか購入する必要があるという点。
しかしながらお値段も1セット500円で、一度貼ると一週間は持つので、お財布には優しい。
カラーはファンデーションのような色味で、
ピンクナチュラル、イエローナチュラル、ナチュラル、ダークオークルとなっている。
今回、私はリストカットの跡がないので、コスメを使って、人工的な痣を作った。
傷跡や痣は、治癒までに色の変化を繰り返していくので、
今回はブラウン、赤、ピンクの色味が出るコスメを混ぜ合わせることで、その色味を表現した。
私が使ったのは、とりあえずイエローナチュラル。最もベーシックなカラーだ。
貼り付け方については写真付きの説明書があるため、分かりやすい。
まずは、シートを台紙から剥がし取る。
傷跡が中心になるように、シートの接着面を隠したい部位の上に載せ、
しっかりと押し付ける。
この時、空気が入らないようにと書かれてあったが、
腕を包み込むように全体をしっかりと押し付ければ、とくに難しさも感じずに、気泡が入らないように貼り付けることができた。
全体を押し付けることができたら、いよいよ腕からシートを剥がしていく。
剥がし終えた状態が、こちら。
痣は透けて見えるが、かなり薄くなっている。
(before)
(after)
赤みの強い部分はうまく隠せているが、茶色い部分は隠しきれていないような印象。
肌とシートの境目は、近くで見ると分かってしまうが、想像よりもナチュラルで驚いた。
これなら、七分丈で境目を隠してしまえば、違和感なく使用できると思う。
そして最も驚いたのは、その肌触り。お世辞抜きで、貼っている感じがしない。
貼り付けた腕自体もそうだが、たまたま近くにいた彼にその腕を撫でてもらうと、
「本物の肌みたい」と驚くほど、サラサラとして違和感がない。
因みにウォータープルーフなので、シャワーを浴びたりするのも、問題なし。
耐久性も抜群で、一度貼ると、一週間の連続使用が可能だそうだ。
完全に隠すことは難しいが、一時的に目立たなくするには、優れた商品だと言えると思う。
リストカットは、辞めなくても良いのか
さて、商品の紹介はここまでにして、最後にもう一度、リストカットについてお話がしたい。
冒頭にお話した、「生きるために切っている」人に向けてのお話である。
リストカットは、様々な心理状態によって引き起こされている。
現実逃避をして悲しみを誤魔化すため、誰かに関心を持ってもらうため、自我を取り戻すため、
恨みをぶつけるための、ぶつけられない憎しみを、自分にぶつけて消化するため。
一概には言えないから、対処法だって、様々にあって、違った対応が求められる。
もしも貴女が、リストカットを辞めたいのに辞められないと悩んでいるのなら、
勇気を持って、病院を受診してほしい。
正しい心と傷跡のケアに、専門家のサポートは、必要不可欠だ。
「どうして切ってしまうのか」「こんなことは辞めなければならない」と自分を追い詰めるのは、もうしなくて良い。
貴女は充分頑張っているし、たくさんたくさん戦ってきた。
まずは自分を抱きしめ、傷跡を作った自分を責めることを、辞めてほしい。
そしてやみくもにその行為を遮断するのではなく、その行為の代わりとなる「生きるためのなにか」を
試してみても良いかもしれない。
有名なのは、切ってしまう腕に、氷を当てて冷やしてみるという方法。
苦しみから開放されるために「痛み」という刺激を求めている人は、痛みの代わりに冷たさを与えることで、少しだけ気持ちが楽になるケースがある。
ほかにも、苦しみを言葉にして紙に書きなぐってみるだとか、ぬいぐるみを壁に投げつけてみるだとか……。
心のもやもやを溜め込んで辞めようとするのではなく、他の方法で発散させることができれば、
リストカットを辞めることができ、自分自身をコントロールできたことを実感できるかもしれない。
自傷行為も、何かに対する依存も。
自分自身のコントロールがきかなくなるのが、最も大きな苦しみの原因となる。
「リストカットを辞める」ことを目標とするのではなく、「自分の苦しみとどう向き合うか」を考えていくこそが、解決への糸口かもしれない。
「傷跡を隠す」ことだけが、全てを解決する方法にはならない。
いつか貴女の全てを理解して、その傷も心も、優しく包み込んでくれる人が現れるかもしれないから。
その時までに、あなた自身が苦しみとしっかりと向き合い、自分をコントロールできる方法を、見つけてほしいと願う。
貴女の心が、少しでも癒えることを祈って。
yuzuka
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