SEX 恋愛 考え方

男性に生理を管理され、とても気持ち悪いと思った本音

2020年10月21日

その気持ちは、こんな時に起こった。

ある日のランチタイム、女友達とおいしいご飯を食べた後、

食後の紅茶を飲んでいた。

 

お店は家族連れやカップルで満員。とても賑わっていて、

だけど席と席の距離は近いので、隣に座っている人の会話は、耳に届いてくる。

 

そんな場所で彼女は唐突に、昨晩のセックスについての見解を、大声で話し始めた。

男性器の大きさや、どんな部分が良かったか。

 

あまりにも細かく話すので、私は少しだけ、具合が悪くなった。

横に座っていた女性の二人組が、おそらく会話を耳に入れ、不快感をあらわにした顔を、こちらに向けてくる。

 

「それ、こんなところで、大きな声で話すことじゃないよ」

私がたしなめると彼女はこう言う。

 

「セックスやオナニーについて話すことを恥ずかしいと思うのは、おかしいよ。考え方が古い」

それはここ最近ずっとインターネットで目にする「先進的」な考え方のようだった。

 

また、こんなこともあった。

「いい感じ」だった男性と食事をしている時に突然、「2日後、生理だね」と、問いかけられた。

 

「どうして知ってるの?」という私に、

「男が好きな人の生理を管理するのは当然だよ。君の生理は僕のカレンダーに記録していて、通知が来るんだ」と説明した。

 

正直に言うと、鳥肌が立つほどに気持ちが悪かったし、その日を境に、私のその人への一切の興味は失われた。

 

「気持ち悪いからやめてほしい」という私に彼は、「どうして?今時古いよ。今の時代、生理はオープンなことだよ」と言う。

私は生理が生理現象だと知っているし、「いやらしいもの」とか「隠すべきもの」だとは思わない。

 

だけど、自分にとってはとてもデリケート部分ではあると思っていて、それについて大声で話されたり、

誰かに管理されることには、不快感を覚えるのだ。

 

性的なこと(生理は少し違うが)を、公の場所で話されたり話すのは嫌だ。

これはある種の「マナー」だと思っていたが、その考えを彼らは、「古い」と言った。

 

だけど私はどうしてもそれが、気持ち悪かった。

私にとって最も先進的な考え方は、「セクハラは受け手がセクハラだと感じればセクハラだ」だ。

 

この考えが以前より広く浸透してきていると思うからこそ、私たちはやりすぎだと思うほどの相手の立場にたって

話題や発言を選ぶようになった。

 

だけど同じようにその考えを浸透させようと奮闘する人たちが、いざ反対の立場になった時。

 

例えば「彼氏といつセックスをしたの?」と聞かれて露骨に嫌がる私の不快感を示した表情を「古い」と言う時、

「え、これはどうしてセクハラに値しないの?」と、強く疑問に思うのだ。

 

アダルトグッズ会社は、「バレンタインデーは同僚に、堂々とアダルトグッズを送ろう」と謳う。

だけど私は、もしも会社の同僚にアダルトグッズをプレゼントされたら、とんでもない不快感を覚えると思う。

 

女性の性欲が認められるべきだという女友達は、公の場所で「セックスしたい」なんて言葉を平然と叫ぶが、

彼女は上司に「彼氏はいるの?」と聞かれて、セクハラだと泣いた女性だ。

 

何が違うのか分からなかった。

 

公の場でセックスについて話すことを「先進的」だと主張する彼女は、

コンビニのアダルト雑誌廃止について、肯定的な意見を持っている。

 

「アダルト雑誌を見ると、男性に性の対象と認識されていると痛感して嫌な気持ちになる。

見ると不快になるものを、公の場所におくべきではない」と言うのだ。

 

だけどそんな彼女はバレンタインデーの日、男友達にアダルトグッズを配り、

拒否反応を示した男の子のことを、「古い」と笑い、公の場所で、セクシャルな話題を叫ぶ。

 

そして私は思ってしまう。

「それは、セクハラじゃないの?」

 

時代は、変わっていく。

私もできるだけ新しい頭でいたくて、過去の考え方に固執したくはない。

 

だけど時代が変わろうとする時、

「それは嫌な気持ちになるな」って人の心とか、どうしてそれを今までやってこなかったのかって、

 

そういう時代的な背景の部分とか、そういうのを露骨に無視して「これが新しい!」と押し付けるのは、

やっぱり間違っているって思うんだ。

 

多様性や権利が認められはじめたこの世の中だからこそ、

「嫌だ」って思う人の権利も尊重されてほしい。

 

全ての人が同じ考えではないし、同じように生きてきてはいないから、

感じ方や捉え方が違うことを、ちゃんと理解して、認めてほしい。

 

新しいことだけが正義だなんて、全てをオープンにすることだけが正義だなんて、

私はやっぱり、それは違うなって、言い続けたいって思うんだ。

 

yuzuka

The following two tabs change content below.

yuzuka

作家、コラムニスト。元精神科、美容整形外科の看護師で、風俗嬢の経験もある。実体験や、それで得た知識をもとに綴るtwitterやnoteが話題を呼び、多数メディアにコラムを寄稿したのち、peek a booを立ち上げる。ズボラで絵が下手。Twitterでは時々毒を吐き、ぷち炎上する。美人に弱い。

おすすめ記事一覧

1

デートだけで何十万円という大金をもらえる。 風俗のように、不特定多数と関係を持たなくても良い。   そんなタレコミで、近年「パパ活女子」と言われる女達が、SNSを中心に、どっと活動的になった ...

2

お金がないのに子どもを産む。 その選択を、どう受け取りますか?   皆さんは、痛快!ビッグダディというテレビ番組を覚えているでしょうか?   8年にわたり、ある大家族に密着した、ド ...

3

「だんだん洗脳されていたと思います。私が殴られるのは、不安にさせた私が悪い、私のことを好き過ぎてたまらないからこんなことをしてしまうんだ。って……。」(みやめこさん) 近日話題になった「#mee to ...

4

「セフレの気持ちが分かりません」 私の元に寄せられる相談は、ほとんどこのひとつの質問にまとめられると言っても過言ではない。   「セフレの気持ちが分からない」 付き合っていないのに身体の関係 ...

5

こんにちは!エロインフルエンサーのねこです。 最近、女性向け雑誌をはじめとする各メディアにて、セックスに関する話題をよく目にします。   その影響もあってか、彼氏やセフレとのセックス事情につ ...

-SEX, 恋愛, 考え方
-,

Copyright© ぴくあぶ - peek a boo , 2024 All Rights Reserved Powered by takeroot.