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3章 貴女にとってのヒーローは、白馬に乗ったイケメンじゃなくて、パジャマ姿の貴女
恋愛のお話に踏み込んで行く前に、そもそも「お前に恋愛を語る資格があるのか」って部分について、ちょっと言い訳させてほしい。
実は私って、根っからのダメ男ハンターで、「学生の時に出会った男性と、そのままゴールイン」みたいな、絵に書いたように幸せな人たちとは、全然、もう全然、違う恋愛をしてきた。
だからね、私にそういう正統派の恋愛って、多分語れない。「良いなって思います」くらいの感想しか出てこなくて、とてもじゃないけれど、いろいろな意見を書き連ねることはできない。
私ができるとしたら、うーん、そうね。みんなができるだけ、恋愛で失敗しないように、「あの道には、小石があったよ!躓かないで!」とか「あの山、そんな軽装じゃ登れないよ!」とか、「おい!そっち、断崖絶壁!すぐに引き返して!」とか、そうやって警告していくことだと思うのね。
これはいつも話すことなんだけど、「恋愛は辛いことを沢山経験した方が、幸せになれるのよ」って、嘘。大嘘。
恋愛は、できるだけ失敗しない方が良い。なんならね、失敗なんて、一度もしない方が良い。
恋愛の失敗って、あとにひきづるのよ。一回完結じゃない。
誰かに裏切られたら、悪いのはその「誰か」なのに、いつのまにか「男」に裏切られたっていう経験として、脳がカウントしちゃうわけ。
元カノと比べられるのが何よりも嫌いな私達なのに、無意識に元カレのフィルターを通して誰かを見て「でも、どうせ嘘つくんでしょ。だって男って、嘘つくじゃない」って、「男」って枠に、ひとくくりにしちゃって、みんなを色眼鏡でみちゃうわけ。
失敗すればするだけ、その色眼鏡の色は濃くなって。しまいには、真っ黒になる。
一番見なくちゃいけない目の前にいる彼のことが、見えなくなっちゃうのね。
ああ、なんて悲劇。
傷つけば傷つくほど、裏切られれば裏切られるほど。「男なんてこんなものだ」って気持ちと、「私は大事にされないんだ」って気持ちがどんどんどんどん、育っていく。むくむく育ったその気持ちは、本当に素敵な恋愛をする時に、貴女を邪魔してくるの。
「こんなに幸せだけど、相手は男だぞ!?」「疑え!疑え!きっと嘘をつくはずだ!」
だからね、私は「恋愛の失敗」なんて、誰かの経験談を笑いながら聞くくらいが、丁度よいっておもってる。
「失敗の経験」なんて、多分、必要ない。
私の看護師時代の先輩で、初めて付き合った男性と、そのままゴールインした女性がいる。彼女は運が良くって、初めて出会った彼が最高に良い人で、最高に大事にされて、最高の結婚をした。
そんな彼女にある日、「旦那さんの浮気を疑ったことってないですか?」って尋ねてみたら(なんて失礼な問いかけでしょう)目を丸くして、こう言った。
「浮気の心配のある人と、どうして付き合うの!?」
ああ、そういうことなんだなあと思った。
私たちは、お付き合いする前の段階で、しっかり相手を見極めて。疑わしい相手からは、離れなくてはいけない。自分にとってふさわしくない人なんだって、ちょっと高飛車でも良いから、切り捨てなきゃいけない。
それをズルズルお付き合いしちゃうもんだから、「失敗」が生まれて、後にひきずっちゃうんだよね。
私の先輩はね、一度も失敗していないから、相手を疑うこともないし、「自分は大事にされて当然だ」って、思えるの。
ピュアって、強い。
私はたくさん失敗しちゃったせいで、その真っ黒なメガネを外すのに相当苦労したから。
「恋愛は、できるだけ失敗しないこと」これ、みんなにはちゃんと、伝えておきたい。
さて、ということで、恋愛について一番基本的なことを話しておきたいんだけど、それは「愛の出し惜しみ」についてなの。
愛ってね、無限に湧き出てくるもの。みたいな表現をされることが多いけど、それってすごく間違えてるって思う。
愛はね、実は有限。限りある資源なわけよ。
愛されるって、幸せとはイコールじゃないの
それからもうひとつ。「愛される」って、「幸せ」とはイコールじゃないのね。
愛されることって実は苦痛で、しんどくて。愛を受け取る側の心にも、容量がある。
人を愛するって、すごく気持ち良いでしょう。
ドラマのヒロインにでもなったような気持ちになるし、湧き出てくる「愛」を、相手にぶつけるのって、楽しい。
だけどね、悲しいかな。恋愛って、それじゃあうまくいかないの。
世の中ではよく「思うままに真っ直ぐ愛を伝え続ければ、相手にきっと届きます」だなんて言うけど、本当はちょっとだけ違って、「いやいや、確かに相手には届くけど、一目散に逃げていきますよー」って、そう言いたい。
愛は、湧き出てきたぶんを湧き出たぶんだけ、そのままダダ漏れさせたら良いってもんじゃないんだよね。湧き出たものを心に溜め込みながら、ここぞって時にだけ、計算して、小出しで相手に、伝えていく必要があるの。
悲しいよね。本当は、ありのままに思う存分、愛して愛して愛しまくりたい。
分かる。「なんでなの!?」って、私も聞きたい。
だけどね、心に湧き出る愛を、思うがままに放出させていると、浴びせられる方も、疲れちゃうの。いくら愛している相手から貰える愛だとしても、徐々に慣れがきて、いずれは飽きてしまう。
そしていつのまにか、貴女から愛を与えられるのが、当たり前になる。
ううん、それだけならまだ良くって、「当たり前」を通り越して、ノイローゼになっちゃって、嫌気がさすことだってある。
ちなみにこれが、片思いになると、もっと著名になるよね。
ちょっと厳しい事実を伝えると、「好きでもない相手からの好意」って、基本的には苦痛だからね。
「これだけ愛してあげたのに!」って、それじゃあストーカーとおんなじになっちゃうよ。
愛は、対等なくらいが良い。相手の「愛」の量を見て、それに合わせて、意図的に出し惜しみをする。
恋愛で幸せになるためには、自分が放出する愛を、コントロールできるようにならなきゃ駄目。
それから愛って怖くってね、「与えれば与えるだけ、帰ってくる」って、無意識に思っちゃうもんなのよ。
「これだけしてあげたのに、返してくれない」ってね。なんて醜く恐ろしく、不器用な言葉なんでしょう。
自ら勝手に与えているにも関わらず、まるで頼まれて「give」しているかのように錯覚してきてしまう。そして、干からびていく。愛を出し尽くして、見返りがもらえなくて駄々をこねて、泣いて喚いて。
勝手に愛を与えられた方は、たまったもんじゃない。
「これだけ愛してあげたのに!」ってその「愛」、タダでくれたんじゃなかったの?
そんな醜い言葉を浴びせてしまう状況にならないためにも、愛を出し尽くして干からびるような恋愛は、絶対にしちゃ駄目。
「愛」とはなにか。キリスト教の聖書には、こう書かれている
愛は寛容で情深い。人をねたまず、自慢せず、高慢にならず、礼儀に反かない。自分の利益を求めず、怒らず、人のした悪を思わず、不正を喜ばずに真理を喜びます。すべてをがまんし、すべてを信じ、すべてを期待し、すべてを耐え忍びます。愛は決して絶えることがありません。(コリント人への手紙I 13:4~8)
愛は本来、見返りを求めないものなの。多分そのことを、みんなもよく分かってる。
だから口では「お返しなんて求めてない」っていうんだけど、話を聞いていくと、「あれ?」って思うの。
確かに、「お返しをくれ」とは言ってない。だけどその代わり、愛を喜んで受け入れてもらうことを強要してる。
それってさ、十分「見返り」なんだよね。
「これだけしてあげたのに」って、自分も、相手も苦しいの。
だからそうならないように、自分の愛の出し方は、相手の反応を見ながら、コントロールしなくっちゃね。
自分をコントロールするって、大切なんだよね。
販売後すぐに売り切れの報告が続々(涙)
販売してすぐに本屋さんに走ってくれたみんなのおかげで、発売後すぐに売り切れが続出……。泣けました。
POP作成
みんなの反響を受け、「もっと多くの人に届けたい」という願いから、読者の方にご協力していただきながら、
手作りPOPを作成しました…!たくさんの方が協力してくれたPOPは、可愛すぎる仕上がりに。
来週から、少しづついろんな書店さんに発送するよ!
アマゾンレビューにも、嬉しい言葉がたくさん。ありがとう
この本は、貴女のための本です。
コラムでも、本でも、LINE@の返信でも。
私が恋愛や人生についてを言葉にするとき、絶対に譲れないこだわりがある。
それは、「共感だけで終わらせないこと」だ。
よくあることを書き連ねることは、誰にだってできる。
それを読んで、「分かるなあ」って、一時的には満足できるかもしれない。
だけど、それじゃあ人生は、より良いものになんてならない。
「何かを変えたい」って思って読んだって、なんの答えにもならない。
だから私は必ず、「答え」を書く。
明日から試せるような、次に彼にかける言葉を変えられるような、そういう道しるべになる文章を書こうって、決めている。
もしも何かに悩んだり、苦しんでいる誰かがいたら。
ぜひ、この本を手にとってほしい。
きっと貴女にとって必要な答えが、つまっていると思うから。
最後に。
この日のためにご協力くださった皆さま。
とくに読者の皆さま。本当にありがとうございました。
yuzuka
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