失恋の受け入れ方って、いろんな記事があると思うんだけど、
私がいつも思ってきたことを、まとめようと思う。
目次
失恋とは、死である
「失恋」って、「死」に似てる。
その人と永遠に会えなくなる。関わりがなくなる。全てが、思い出になる。
それはとっても、「人が死ぬこと」に似ている。
耐え難くて、絶望が渦巻いて、苦しくて、一生立ち直れないんじゃないかって思う。
だけど安心して欲しい。「失恋」も「死」も。必ず乗り越えられる。
失恋がとくに恐れられるのは、先が見えないからだ。
突然愛する人を奪われた苦しみがどう変化していくのか、予想ができないから怖い。
「この人がいなくなったら、明日からどうなるんだろう」
「この苦しい気持ちが収まることはあるのだろうか」
「前みたいに笑える日が来るのかな」
とにかく悲しさと虚無感に支配されたその心に、押しつぶされそうになる。
一生このままなのではないかと、恐ろしくなる。
だからこの記事では、その「感情の変化」について説明しようと思う。
失恋した時、人の感情はどんな変化を辿るのか。
実は「失恋が死に似ている」というのに気づいたことで、私自身が何度も救われた。
「死の受容のプロセス」にあてはめて考える
看護師をしていた頃、「余命宣告」についての授業を受けた。
「貴方はもって何年でしょう」
不治の病であると告げられ、自身の死を宣告された時、人はパニックに陥る。
だけど、彼ら彼女らをサポートしなければならない私達は、その感情の変化を、冷静に見つめなければならない。
その人の受け入れ段階が、どのくらいにあるのかを把握し、それに伴ったアプローチをするためだ。
そこで、「死の受容のプロセス(5段階)」というものを勉強する。
これは、その昔精神科医であるエリザベス・キューブラー・ロスが唱えた、
「貴方は死ぬ」と告げられた人が、死を受け入れるまでに歩む、感情の段階である。
「死ぬ」と言われてから、「私は死ぬんだ」と穏やかに受け入れるまで。
キューブラー・ロスは、200人の死にゆく患者との対話の中で5つの死の受容のプロセスがあることを発見した。
必ずしもこの過程を辿るとは言い切れないが、それでも多くの患者が、彼女の唱えるプロセスを経て、死にゆくのだ。
「感情が説明できてしまう」というのはある種悲しいことではあるが、
事実人は皆、この感情の順番を踏んで、死を受け入れていくことが多い。
パニックになっているように見えて、ゆっくりと、順序を踏んで受け入れていくのだ。
私達はその段階を理解していたからこそ、患者達の苦しみに対し、冷静に寄り添うことができた。
「自身の死」と「失恋」は重みは違えど、愛する人が自分の人生から姿を消すという点では、
同じくらいの衝撃や苦しみを受け入れる人も多いと思う。
このプロセスに自身の感情を当てはめることで、少しだけ冷静に失恋を受け入れることができるのではないか、と思い、
記事にしてみることにしたのだ。
前述した通り、失恋において一番恐ろしいのは「自分の感情がどうなるか想像ができないこと」だからである。
※これは一般的な死の受容のプロセスであり、全ての人が当てはまるわけではありません。
また、もっと深く勉強すると5段階の途中に様々な段階が出てくるのですが、今回は分かりやすく5段階のみを取り上げて説明します。
死の受容のプロセスについて
第1段階 「否認」
死を宣告されると、まずは否認という行動に出る。「そんなわけがない」と思うのだ。
患者は大きな衝撃を受け、自分が死ぬということはないはずだと否認する。
「仮にそうだとしても、特効薬が発明されて自分は助かるのではないか」といった部分的否認の形をとる場合もある。
《失恋に置き換えると》
「私達が別れるはずがない」「浮気などされているはずがない」「私が振られるわけがない」
何かの間違いで、また元の生活に戻るのではないか。という感情に陥る。受け入れられず、「別れ」という事実を否認する。
第2段階 「怒り」
なぜ自分がこんな目に遭うのか、死ななければならないのかという怒りを周囲に向ける段階。
《失恋に置き換えると》
「どうして私がこんな目に遭うの?」「どうしてこんなに苦しまなければならないの?」「全てウソだったの?」「別れることになったのは、◯◯のせいではないのか」等、相手や周囲の人に対して憎しみの気持ちが湧いてくる。
第3段階 「取引」
延命への取引を行おうとする段階。「悪いところはすべて改めるので何とか命だけは助けてほしい」あるいは「もう数ヶ月生かしてくれればどんなことでもする」「神様、お願いします」などと、死なずにすむように取引を試みる。神など、絶対的なものにすがろうとする状態。
《失恋に置き換えると》
ネットで「復縁の仕方」について調べたり、縁結び神社や占いに頼ろうとする。神様にお願いしてみたり、周囲の人間にアプローチして復縁を迫ったり、「全てなおすから一緒にいて欲しい」と、本人にすがり、別れずにいる方法を見つけようとする。
第4段階 「抑うつ」
取引が無駄と認識し、運命に対し無力さを感じ、失望し、ひどい抑うつ状態に襲われなにもできなくなる段階。すべてに絶望を感じる。
《失恋に置き換えると》
復縁が困難であると認識し、抑うつ状態になる。食欲がなくなったり、仕事に行けずに引きこもったり、全てのやる気がなくなる。
第5段階 「受容」
死を受容する最終段階へ入っていく。最終的に自分が死に行くことを受け入れるが、同時に一縷の希望も捨てきれない場合もある。
受容段階の後半には、突然すべてを悟った解脱の境地が現れる。希望ともきっぱりと別れを告げ、安らかに死を受け入れる。
《失恋に置き換えると》
徐々に失恋を受け入れていく。受容の途中まではメールや電話をしたり、思い出の写真を眺めて「もしかしたら」と思うが、突然全てを悟り、「もう戻れないのだ」と受け入れる。この境地にたどり着くと、失恋を受け入れ、前に進むことができる。
「苦しみは受け入れることができる」と理解する
「この人を失ったらどうなるのだろう」という気持ちは、時に人を良くない方に縛り付ける。
だって、別れなければならない相手とは、別れなければならないのだ。
終わった恋にいつまでも縋り付いては、いけないのだ。
それらは全て、時間の無駄だ。
だけど、皆、怖い。
誰かを失ったときの感情の動き方が、予想できないから。苦しみを受け入れられるのか、分からないから。
よし、私が断言しよう。失恋は必ず、乗り越えられる。
不毛な恋愛を続けるくらいなら、さっさと次に進んだ方が、ずっとずっと有意義で、傷も早く癒えるだろう。
失恋した人も、これから失恋する人も。
この記事を読んで、自分の感情の段階を知ることで、「ああ、もう大丈夫だ」って、少しだけ安心してほしい。
そしてあなたが早く、前を向けることを祈っている者が、ここにもいるということも、覚えておいてね。
あなたが前を向けることを祈って。
yuzuka
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