ぴくあぶ編集部です。ども。
過去に元美容外科看護師であるyuzukaさんに「美容外科看護師の働き方・転職事情」という記事を書いていただきました。お金のことや仕事のブラックぶりなど生々しいものをたくさん書いていただいたのですが、今回はそれの医師版だと思ってください。
とくに今回は医師の転職事情についてめちゃめちゃ細かく書いてもらっています。
現状、医師として働いている人がどれほどいるのか検討もつきませんが、「とにかく今の病院とは違うところで働きたい」「給料をもっと高くしたい」「自分好みの働き方に変えたい」などをお思いのお医者さんはぜひ最後まで見てってください。
とくに今回は神回だと思います。医師の情報が少ないだけにタメになり過ぎる。
目次
実際に転職したことのある内科医師Jさんの話
今回は現役の内科医師、それも勤めはじめて15年目になるJさんに医者の転職事情について書いていただきました。(生々しいことを露骨に書いていただいたため、最終、匿名という判断。ご了承ください)
常勤としての転職経験が4回、非常勤での転職も数えると10回というまさに医師会の転職マスターです。では、さっそく体験談をどうぞ。
そもそも医師が転職することは結果的に得なのか
紹介されました、現役内科医師のJです。
今回は簡単に、「なぜ私は転職したのか」「どうやってしたのか」などを中心に書いていきます。転職を考えている人はもちろん、今の職場や働き方に少しでも不満のある医師はちょっと覗いてってください。後悔はしないはずです。
あと、ちなみに私は内科医師であり、都内に住んでいます。
つまり、私と違う環境のお医者さんも多く見られると思うのですが、その場合は、少しばかり勝手が違ってくると思うので、そこはご了承ください。
さて、後ほど細かく書きますが、そもそも私が転職しようと思ったきっかけは「このままでは私自身が身体を壊す」と思い、自分の生活や希望にあった勤務先を改めて探すためでした。
つまり皆さんご存知の通り、ほとんどがブラック会社みたいなものなのです。働いている方はわかりますよね?
おそらく通常よりも比較的早めに医局を離れた私ですが、早い目に(転職しようと)行動したことは結果的によかったです。
もちろん多少の不安はありましたが、いま医師が置かれている状況を考えると、医局に固執するのは危ない(教授になりたい人は別ですが)。そう思いますね。
「転職」という選択肢は、その都度自分のライフステージ(結婚など)にあった働き方ができ、(努力次第で)資格をも手に入れることができます。
これを得といえばそうですよね。露骨に給料があがる場合も多いですし。
ただ一概に誰でも転職したほうがいい、とは思いません。
個人的には実績を積んでからの方がいいです。
しかし過去の私みたいに少なくとも体調を壊すほどのストレスを抱えている方は、今すぐにでも転職という選択肢を頭の片隅に置いておくべきでしょう。
そういう方からすると、どんな形でもほぼほぼ転職することは得だと思いますよ。
転職はこんな時にした方がいい!転職の考えどき
先ほど言った通り、私自身が転職を考えたのは、働き方が合わず体調を壊したためです。
またライフステージが変わったのも大きいですね。
働くことが大好きな私。
たくさんの入院患者を割り振られても、”期待されてるんだ!”と喜んで引き受けていました。
「医者なんだから定時に帰れるわけがない」「医者なんだから夜中に呼ばれるのも仕事のうち」
と、本当に24時間365日、仕事に捧げていたのです。
が、ある日突然身体が悲鳴を上げました。
今まで何も考えずにできていた処置が手が震えてできなくなる、常に悪い結果を考えて前に進めなくなる、、、”仕事をバリバリする自分”が好きだった私にとってとてもつらい状況でした。
精神科を受診し薬も飲み始めましたが、原因は働き方だ、というのは自分でもわかっており、結局満足に働けなくなってしまったので、「身の丈にあった職場に変わろう」と転職を決意したのです。
そして、その後に転職を考えたのはライフステージが変わるときです。ただし、これは結婚や出産した、その時ではありません。
むしろ、結婚や出産のときは慣れた職場のほうが、融通がきいたり、周りの同僚に頭を下げてお願いすることで休みの調整がやりやすかったので、このタイミングでは転職はおススメしません。
私の場合はだいたい2年後を考えて、「その時にはこういう働き方をしたいな」「2年後これぐらい貯金したいな」と考えて動いています。自分の生活が変わるタイミングで職場も変わるととてもストレスになると思ったのです。
もし転職するならこうしよう!転職の仕方
転職を考えたとき、最も大切なのはたくさんの情報を集めることです。
そのためには出来る限りのコネとネット情報を使いましょう。
知り合いに紹介してもらう
知り合いに紹介してもらうメリットは、ヘンな転職先は紹介されない、という点です。
場合によっては転職サイト以上の内部情報が得られることがあります。さらに、ベテランの先生の紹介だと、その先生のパワーで多少のムリを聞いてもらえることもあります。
もちろん相手先も知り合いの紹介ということで、安心して雇ってもらえるでしょう。
ただしデメリットとしては、予定外で早期に退職する場合、紹介していただいた方のメンツをつぶしてしまう可能性があることです。
転職サイト(リクリートドクターズキャリア)を使おう
転職サイトを使う理由は、膨大な情報から自分の希望にあう勤務先を見つけてもらえること。
そして勤務の交渉をビジネスライクに行うことができる点です。
関連サイト:おすすめの転職サイト「リクルートドクターズキャリア」をクリック
あらかじめ条件や希望を交渉したうえで面談に臨めるので、時間を無駄にすることもありません。
ただし、交渉がうまくいくかどうかは担当となったコーディネーターによる部分もあります。
転職サイトを使った場合はこうでした!お金のことや転職のしやすさについて
今回、私の転職では5つの転職サイトから情報を集め、2つの転職サイトのコーディネーター(転職サイトの担当。各転職サイトによって呼び名が変わり、今回はコーディネーターとする)を依頼し、最終的にそのうちの1つのコーディネーターにより転職することができました。
転職サイトには誰でも見ることができる情報と、会員登録しないと見られない情報があります。
会員登録すると、その後メールが来たり電話がかかってくることもありますが、たくさんの情報を得るためにすべて会員登録してできる限りの情報を得ました。
さらに、すべての転職サイトに年収や休みの希望を伝えました。
すると担当者が希望に該当する(なければできるだけ近い)求人を教えてれます。
私は妥協せず、「この求人はココがイヤ!」「ココだけは譲れない!」と返信をしました。それでも根気よく付き合ってくれたのが、転職サイト「リクルートドクターズキャリア」と「民間医局」です。
この電話やメールのやり取りは会社の性格やコーディネーター(担当者)の人柄が出ます。
コーディネーターは今後の交渉でとても重要なので、ここで自分に”合う”人を見つけるのが大切です。
転職サイト(コーディネーター)を絞ったら、転職先の候補も絞り、最終交渉です。
中には、ほかの転職サイトにのっていた求人を「そちらにはないですか?」とたずねて、交渉してもらった病院もあります。知り合いから勧められた病院の情報も集めてもらいました。
これだけ情報収集をすれば、後悔はありません。
とても時間がかかったように見えるかもしれませんが、実は転職サイトに登録してから面談先を3つに絞るまでにかかった時間はたった1ヶ月です。
あとはコーディネーター立ち合いで3つの候補と面談し、余裕をもって次の転勤先を決めることができました。
今回の転職で感じたのは、まだまだ売り手市場だな、ということです。
求人票では条件に合わなくても、「あとこれだけ給料が上がればぴったりなんだけど」「当直の回数だけがネックです」と伝えると前向きに条件変更していただけるところが多い印象です。
特にお金の話は直接は言いにくいのですが、コーディネーターをはさむと残業代のことまで細かく情報収集や交渉ができました。
膨大な情報と、スピーディーな展開、妥協しないで交渉できる点が転職サイトのメリットと感じました。
まとめ:一度っきりの人生!妥協はしなくてよい
転職は人生のイベントですから、妥協はしたくないですね。
たくさん休みを取って、高い年収がほしいなんてワガママ言っていいのかな?と思うかもしれませんが、転職サイトは転職のプロ。いろんな交渉のやり方を知ってます。
そして、求人情報は流動的なので、もし転職サイトに気に入る求人がなくても、3か月もすれば新しい求人がたくさん出ています。
チェックが面倒な人は会員登録をして、条件に合う求人が出たときに教えてもらうこともできます。
あなたが今のお仕事に満足しているのであれば、転職は不要です。
でも、我慢して働いているのであれば、転職という選択肢を考えてみてもいいのではないでしょうか。
編集部からの追記:質問コーナー
追加でいくつか質問をしてみました。質問は以下です。
- そもそも転職サイトを使おうと思ったきっかけ
- 転職で、給料はどれくらい上がったのか
- 転職サイトの評価と次回もし転職する際、転職サイトを使うのか
上記の質問をぶつけてみました!
そもそも転職サイトを使おうと思ったきっかけ
最初の転職から、結構ワガママな希望だったので、周りの医者に知られると「何言ってるんだ(怒)」と言われると思いまして(笑)
そんないい条件のところがあったら、オレが行くわ!とか言われそうで。なので医局の人に相談するのではなく、転職サイトを使おうと思いました。
転職探しをすればわかりますが、実際は多少譲歩すれば転職サイトで希望に近い求人は見つかるんですよね。
おそらく、求人を出すほうも、あまりいい条件で出すと、周りの病院から「あそこは人が足りなくて苦労してる」と思われるのが心配なんじゃないかと思います。
あと、働きながらの転職は、面談のたびにお休みを取らなければいけないので、ある程度条件や希望ですり合わせをして、候補先を絞れるのが(そしてその交渉を代わりにしてくれるのが)転職サイトのメリットだと思います。
転職で、給料はどれくらい上がったのか
実は、給料を上げる目的で転職サイトを利用したのは一回のみです。
ただ、求人票では年収が希望より低めの病院でも、当直を週1回すれば希望年収になったり、交渉次第で年収も上がることを体験しています。そのときは年収は200万円あがりましたね。
転職サイトの評価と次回もし転職する際、転職サイトを使うのか
美容外科看護師さんの転職記事を見ましたが、次回も転職する際は転職サイトを使うと書かれていましたよね。それは私も同じです。
ただ、医者の場合は祝い金はありません。そこは注意が必要ですね。
給料のアップが目的なら、絶対的に転職サイトを利用したほうがいいと思います。交渉がしやすいです。
また実際に働いて聞いていた話と違う場合も、転職サイトを経由している場合は確認してもらうことができるのでいいですね。(ただ、私も一度そのような状況がありましたが、その時は転職サイト側の確認ミスでした。笑)
あとは医局と離れている人の場合は、絶対に転職サイトでの情報収集は欠かせないですよね。(候補を絞り込んだ後、実際に転職の際に、転職サイトのコーディネーターを使うか、知り合いのツテを使うかはケースバイケースですが)
医局と縁を切りたくない人は、医局の指示(もしくは許可)がないと勤務先を変えられないので、あくまで医局と関係しない医師に限ります。
まあどのみち、私の場合は次回転職するとなった際は、再度転職サイトは利用します。
最後に転職サイトを使う際に気をつける点を書きますが、下記は気をつけた方がいいですよ。
- 最初に出す要望は、絶対に妥協しない。(ムリと思っても、ひとまず出す)
- できる限り多くのサイトとやり取りして、たくさんの求人情報を得る
- 自分に合うと思うコーディネーターを見つける
- 面談前にできる限りの交渉をしておく(面談は交渉の場というより、病院見学と考える)
こんな感じですかね。転職頑張ってください。
ぴくあぶ編集部
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