こんにちは。ニキビケア専門クリニックで働く、現役看護師のRISAです。
今回は保険診療におけるニキビ治療についてお話ししていこうと思います。ちなみに前回は背中ニキビについて書きました。
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さて、ニキビ治療においてはコンビネーション(併用)による積極的な治療が望ましいと言われています。
例えば、軽症から中等症のニキビには外用薬のみでも対処可能ですが、中等症から最重症のニキビになると内服抗菌薬を組み合わせて治療していくのです。
ではまず、それぞれのお薬について詳しく解説していきます。
目次
ニキビ治療薬についての解説
外用薬(塗り薬)
まずは軽度のニキビによく使う、外用薬についてお話しましょう。
ニキビの初期段階へ:ディフェリン、エピデュオ
ニキビ悩みを持つ方には、結構有名な薬です。
一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
この薬はコメド(ニキビの初期段階の粒)状態の軽症から重症の方まで、幅広く使われています。
そもそもアダパレンは、毛穴の詰まりを改善させ、コメドができにくくする予防薬のようなものです。2008年に登場し、それによりコメド治療が可能になりました。
また併用することで抗菌薬の効果を高め、より精度の高い治療ができるようになったのです。
ただ副作用として、乾燥、赤み、かゆみ、ヒリヒリ感などが出る可能性があります。
なので使用する際は医師のアドバイスを基に、またしっかりと保湿を行うようにしてください。もし副作用反応が出たと自覚した場合には、処方を受けた先生へ即座に相談するようにしましょう。
強く推奨されている:アクアチム、ダラシンT、ゼビアックス
これらも上に同じく、よく聞くお薬かもしれません。
細菌が増えることを阻止してくれるもので、ニキビを始めとする皮膚感染症全般の治療に使われています。
ちなみに、これらの薬に関してはエビデンス(効果があると実証されている)を有しており、軽症から中等症のニキビに対しての使用を、強く推奨されています。
強力な酸化剤:ベピオ、デュアック
これらは強力な酸化剤であり、アクネ菌というニキビの根元となるものを殺菌してくれます。
そして最大の特徴として、耐性菌を誘導せず(薬へ対応するよう変化すること)、長い期間を通して使うことができます。ちなみに日本では、1年間の長期臨床試験が行われており、有効性や安全性が確認済みです。
またピーリング作用により、コメドに対しても効果が期待できると言われていますよ。
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内服抗菌薬
内服抗菌薬というのは、菌の増殖を阻害し、中等症から最重症のニキビに対し使われます。
ターゲットとするアクネ菌だけではなく、全身の常在細菌について耐性菌の出現を考慮しなくてはいけないので、長期間処方されることが少ないです。というか、あまりありません。
また内服の場合、全身に作用するため、その分、全身的な副作用に気をつける必要があります。
なのでより一層、医師資格のある者からの適切なアドバイスを受けないといけません。気をつけてくださいね。
個人的意見で、蛇足ですが、日本と海外では内服抗菌薬の考え方に大きな違いがあるんですよね。
なので、いずれ海外のニキビ治療についてもお勉強していきたいなと思っている次第です。
余計なお話をすみません。笑
ではさっそく具体的なお薬について紹介していきます。
推奨度が高い:ミノマイシン、ビブラマイシン
内服抗菌薬として積極的に推奨されているのが、これらの薬です。
詳しくは、先ほどお伝えしたとおり、かかりつけの医師からお聞きください。(これに限らずだけど、とくに!)
ちなみによく言われるのが、目まいの副作用です。
効果が高い分、そういった症状を訴える方も少なくありません。薬にはそもそも副作用が付き物なので、特別気にする必要はありませんが、事前に知っておくことは重要ですよ。
漢方
最後に漢方についてもお話しします。
漢方はニキビに対する内服補助療法として有効と言われているのですが、ご存知でしょうか。
ちなみに「漢方に保険なんて適用されないだろう」と思われるでしょうが、可能な場合があります。
なので、保険証は必ず持っていくように!
さて、「良薬口に苦し」とは、まさにこの事。
どうでもいいですが、漢方...私はとても苦手です。
では、ニキビに対して処方される漢方をいくつか紹介していきます。
炎症のないコメドへ:荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
炎症のないコメドに対しては、荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)と呼ばれるお経のような名前の漢方が有効的です。
荊芥連翹湯には、活性酸素産生を抑制する作用(活性酸素とは、老化やニキビの原因となるもので、喫煙や紫外線などの影響で産生されます)や、抗アレルギー作用があります。
テトラサイクリン系抗菌薬(ニキビ治療だと、ミノサイクリンがコレに匹敵します)に匹敵する抗菌作用があるため、「抗菌薬だと副作用が気になる...」という方は、こちらを代用してもいいのかもしれません。
が、必ず医師からのアドバイスをお聞きください。
炎症が起こっているニキビへ:荊芥連翹湯、清上防風湯、十味敗毒湯
炎症を起こしてしまったニキビに対しては、先ほど紹介した荊芥連翹湯に加え、清上防風湯や十味敗毒湯などが処方されます。
清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)は上半身、特に顔にできてしまった赤いニキビに有効とされ、荊芥連翹湯とは違い、コメドに対しての個別の効果は評価されていないため不明です。
お次の、十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)は、化膿を抑え、肌の腫れや赤み、かゆみをとる働きがあります。
そのため、膿が溜まってしまったニキビに対し処方されるそうです。
まとめ:お薬の使用には、医師の診断が必須!
今回は保険が効くニキビ治療についてお話させていただきました。
何度も言いますが、お薬の使用には、必ず医師の診断が必要です。早め早めに相談するようにしましょうね。
跡を残さないためにも早めに皮膚科に受診し、お薬とうまく付き合ってください。では!
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