こんにちは。ぴくあぶ編集部です。
前回、医師の転職にてよく使われる「エムスリーキャリア(m3キャリア)」について、その体験談を現役医師の方に書いていただきました。今回はその続きだと思っていただいて結構です。
関連記事:エムスリーキャリアで転職成功した体験談
特段、話が続いているとかではないので、前回の話を読んでいただかなくとも大丈夫なのですが、前回が話上、メリットばかりが目立っていたため、エムスリーキャリアを使ったけど、「結局別の方法で転職したよ!」という人の転職体験談も載せておこうと思います。
今まさに転職を考えている医師の方はぜひこちらも参考にしていただけると幸いです。(ちなみにこれはたまたまなのですが、今回の寄稿者も脳神経科の方です)
目次
働き方を変えるために転職を!今、私と同じ境遇の方は考えよう
はじめまして。地方にて勤務医をしております、田口です。
医師不足真っ只中である拠点病院にて、救急医療を10年以上携わっておりましたが、子育て世代としての父親の役割と医師としての社会貢献の使命との間に板挟みとなり、2年前の2017年に民間病院への転職を決意しました。
今回はそんな医師の転職話となります。同じような境遇の方はぜひ読んでください。
そして冒頭で紹介のあった通り、転職サイト「エムスリーキャリア」のことについても触れます。
私の場合は実際にこの転職サイトで転職することはありませんでした。転職サイトを使って転職をと考えている方は今一度立ち止まって最後まで読んでいただけると嬉しいです。
現在の医療現場(とくに救急)はこんなにも過酷
さて、現在の医療現場は田舎の病院と言えど、患者の目は一層厳しくなっており、ひと昔前の古き良き時代のような医師の権威や、それによって許されていたある程度の不確実さも実は許されなくなっています。
(これに関して個人的には良い面と悪い面があると思っています)
都市部へ医師が集中し、地方での医師不足が深刻化する中、特に救急現場ではその過酷さが顕著になりつつありました。
というかその事は現在進行形であり、精神的、肉体的にボロボロになっている同僚たちがたくさんいるのです...。
救急業務は患者の急変や病状の予測がつかない重症患者との関わりをもつことが多く、現場に従事する医師にとっては非常に大きなストレスとなっています。
特に各専門領域をもつ医師が掛け持ちで夜間の救急業務を兼ねているような、例えば地方の病院では、救急当直をすれば患者がひっきりなしに来院し、翌朝まで一睡もできないなんてことは珍しくありません。
さらには翌日も休みであるはずもなく、普通に働き続けるなんてこともよくある話です。
医師として駆け出しの頃はこれも修行のうちと頑張れていましたが、やがてキャリアを積み、プライベートでも結婚や子育てなど人生のステージも移り変わっていきますよね。
それらにつれ、現状の仕事と家庭の両立の必要性を感じ、そのころから自分の仕事に対する意識は変わり始め、将来的な医師としてのキャリアへの不安や本当の人生の充実に関して考え始めたのです。
24時間365日、休みという休みがなかった...
少し遡ると、私はとある地方の国立大学医学部を卒業し、そのままその地方の公立病院へ研修医として入職しました。
冒頭で言った通り、地域医療の拠点として活躍するところであり、24時間356日にわたり年間5000台ほどの救急車を受け入れていました。内部で働く医師たちもお互いに協力し合いながら診療体制を維持していたのです。
そして臨床研修を修了後、私は患者や他科の医師たちにも頼られる脳神経内科医に憧れ、その専門医としての道を歩みはじめました。
施設ごとに違いはあると思いますが、私のその施設では脳神経内科医は脳卒中患者の診療もしていたため、それが疑われる患者が搬送された際には、自宅から救急室への呼び出しが毎日のようにあり、昼夜を問わず落ち着く時間はありませんでした。
また当時、院内の脳神経内科医は上司と私の2人のみ。
その2人で地域の中枢神経関連の救急患者を24時間体制で受け入れなければなりませんでした。もちろん、休日なんて呼べるものはなかったに等しかったです。
このような勤務環境であったため、ただでさえ人手不足の病院へその勤務の改善を期待したとしても、もちろん是正されることはなく、私はどんどん疲弊していきました。
結果、自分のその病院における医師としての明るい未来は見えなくなり、研修医から数えて10年以上にわたり勤務した職場を、そこから転職する決意を固めたのです。
転職すると決めてから。エムスリーキャリアとの出会い
転職のパターンは大きくわけて「医局を介する場合」と、「個人で転職先を探す」場合の2つに分かれます。
そしてさらに細かく分けると、個人で転職先を探す方法も2つに分かれます。「医師転職支援サイトの活用」か、「個人的な知り合いを通じた転職」の2つです。
私の場合は医局に所属していなかったことや、仕事が辛いからやめていくことに強く負い目を感じていたことから、できるだけ知られないように転職したいと考えました。
その結果、転職サイトを使うことにしたのです。
使った転職サイトは、「エムスリーキャリア」という転職サイトです。
これは特段理由があったわけではなく、対応が一番早かったからとなります。ただ対応が早いことは後々わかりましたが、結構重要。なのでこの時点でエムスリーキャリアを選んだことは間違いありませんでした。
最初、色々と必要項目を入力するのですが、それはパパッと終わり、すぐにエージェント(担当者)の方と話し合うことになります。
その方法は電話や面会、メールなどどれでも可能でしたが、私の場合はエージェントの方に依頼する段階でもまだ本当に転職をする方が良いのか(転職した先で自分の立場が危うくなるようなことはないか)、
まだ現在の職場でやっていける方法はあるのではないか、などの迷いがあったため、エージェントの方に直接会うことに抵抗を感じ、最初メールでのやり取りをさせていただきました。
内容としては希望の年収や転職後に活かしたい専門領域、そして勤務環境(週の勤務日数、オンコール待機制度の可否や当直の有無、可能な当直の日数)などを聞いていただきました。
ちなみに私が転職にあたり希望したのは、自宅から自動車で通勤圏内であること。現在よりも良い年収での雇用、確実な休日の確保ができること、夜間や休日のオンコール待機がなく、当番制の当直であることなどを希望しました。
少し求めすぎかとも思いましたが、要望より1週間程度でエージェントの方より3つの施設がリストアップされてきました。これには結構びっくりしましたね。探せば意外とあるものなんですね...。
どんな施設も自分が求めた条件を満たしており、伝わってくる職場の雰囲気も良いように思いました。
そしてしばらくして、エージェントの方より
「実際に就職希望先の施設見学を設定したり、交渉を進めていくにあたり、一度お会いできませんか?条件に関しては希望先の施設にて、私とともに直接面会して交渉することになります。これにより雇用先からもっと良い条件を引き出せるかもしれません。力になりますよ。」
などと、コメントをもらいました。
ただこの段階になっても私は長らく働き人間関係を築いてきた職場を離れ、一人で知らない環境に飛び込むことに覚悟を決めきれていなかったのです。ものすごく不安を感じていました。
一つの施設で長く働いてきた私には、職場を変えることがまるで清水の舞台から飛び降りるような気持ちだったのです。もう一度人間関係を上手く作れるのかどうかが最も大きな不安要素であったと記憶しています。
転職サイトを使わず、知人からの紹介にした
そんな時ある人から電話がかかってきました。
その人は自分が研修医の時からお世話になっており、最近定年退職を迎えられた元上司の方でした。
近隣の療養病院の院長として再就職されたのですが、今の職場にいる頃から私が激務の中にあることを気にかけてくれていたのです。
その人から一言「最近はどうだ?大丈夫か?働きすぎてないか?」と聞かれました。
最初私はついつい強がりで、あたかも自分が何も悩みはないように、「お久しぶりです。大丈夫です!元気ですよ。」と答えました。
ですが、元上司は「ほんとか?あまり人手不足も解消されてないようだから、大変なんじゃないか?と心配していたんだ。」と、私のことを察しこのように言ってくださったのです。
また続けて、
「今日急に連絡したのは言うまでもない、実はうちの施設で医者の増員が必要になって。良かったら君に来てもらえないかと思って思い切って連絡してみた。」
と、まさかのこのタイミングにてオファーの連絡をもらいました。
信頼している元上司からのその言葉を聞いた瞬間に、自分の中の転職への不安は見事に解消されました。
私は
「いえ、実は先生のおっしゃる通り今の環境が辛くて、辞めようと真剣に考えていたところでして」
と、このように話しました。そして後日一緒に会食することが決まったのです。
後日その場にて条件面のすり合わせをしましたが、エムスリーキャリアで提示していただいた条件を全てかなえてもらえることを約束した上で、合意させていただきました。
そして約3か月後に元上司が勤める施設へ転職することができたのです。
もちろん勤めていた職場からは強い引き留めにあい、院長との面談なども何回も重ねました。
ただ私が求めている労働時間の問題は一向に解決できそうになかったので転職。今思うとあのタイミングであのように言っていただけたのは奇跡に近かったと思いますが、転職できたのは本当によかったと思います。
まとめ:エムスリーキャリアは良い条件を出してくれる素晴らしい転職サイトでしたが...
間違っていただきたくないのは、エムスリーキャリアのエージェントの方は非常に大きな力を発揮してくれ、とても良い条件の転職先を用意してくれた、ということです。
ただ私のケースにおいて重要であったのは、それよりも転職先の信頼できる人間関係の存在だったということ。
なんだか最後らへんはエムスリーさんに悪い事をしたなあと思っていたましたが、それも快く「大丈夫ですよ」と言ってくださり、むしろ転職先が決まったことを喜んでくださりました。
あのときは本当にありがとうございました。
転職サイトは活用すべきだけど、転職先の関係性が分からないデメリットもある
完全な新天地を求めての転職であれば、過去のしがらみなどをむしろ捨てることのできる転職サイトでの転職は多いにあり!
しかし近隣病院への転職となると医療、特に医師の世界は狭く、診療機関同士の連携が進む現在では患者さんの紹介などで必ずといっていいほど元の職場とのやり取りをしなければなりません。
そのような時に信頼できる人間関係内でやり取りできることは、
転職サイトには、もちろんですがその施設間の人間関係を担保する仕組みはなく、悪魔でも自分の自己都合で転職した色が強く出ます。
その点において転職後の業務をスムーズにこなすためにも、信頼できる人の仲介やお誘いがあった場合はそちら優先に考えた方が個人的にはいいのではないかと思うのです。
以上、今回の記事が現状の医師としての仕事内容や環境に疑問を持っている方へ、少しでも参考になれば幸いです。頑張ってください!
寄稿者
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